アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
大人のお付き合い6
-
さらに上気した頬を悟られないようそのまま、踵を返した。
挨拶もせずにその場を足早に去ろうとする。冴島が見ているのを気配で感じていたが、それはすぐに、自分とは逆方向に向かう足音で、気のせいだったと気が付かされる。
本気の恋なんてしたくない。
そういった冴島の言葉は多分真意なのだろう。
自分相手に本気でどうこうしたいとかじゃなくて、ただ、持て余し気味の性欲を手近な相手で解消しておきたいというそれだけのもの。
その相手に選ばれるのもどうかと思うんだけどね。
男子校っていう特異性からか、教員はほぼ男だし、女性の先生っていったらほとんど既婚の、下手したら自分と同い年のお子さんがいらっしゃるような元・元女子のお姉さま方だ。
いや、冴島にとってはそれでもいいのか。
ぺたんぺたんと非常灯だけが燈った階段を上る。
人の性癖云々を言うつもりはないが、冴島にとってこの状況は楽園なのか地獄なのか。
9割男。雄。オス。♂。
小松崎みたいな綺麗め美人とか、お前はどうしてそうなったんだ?ってくらい可愛い生徒もいる。
でも、その中でより取り見取り、なんてしたら犯罪。
階段を上りきって、心臓が縮んだ。
長い直線の廊下に一つ、人影がしゃがみこんでいた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
54 / 460