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甘いもの4
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言葉にしたら自覚が生じて、余計に体が熱くなる。
耳が焼けるように熱い。
「キスの先もしたいくらい?」
眼鏡の奥の眸が笑みに眇められて、大人の怖さに驚く。
冴島にからかわれていた人間と同じ人物には思えない。
「き、すの……」
先。
想像して、その想像を、しゃくりあげて泣く小松崎の姿が掻き消した。
あの綺麗な可愛い顔で意外と豪快に泣くことを啓太は知っていた。
人目をはばからず大きな声で、真っ白な頬にコロコロと涙の粒を転がして泣くのだ。
それを想像したら。
「したいけど、俺は、眞澄を泣かせることはしたくないから」
腹を括って言ってしまえば、好き過ぎた。
好き過ぎて、今の関係から違う関係になって何か変わってしまうのが、怖かった。
「甘いものだけ与えて、あいつが笑ってくれるならそれが一番いいかなって」
朔良にもらったケーキを受け取って、今はそれが一番の自分の望みなんだとそう思った。
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