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上野クンの奴隷事情 ( 会長編 ) -1-
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偽恋人事件(俺が命名した)から、一週間、特に何事もなく穏やかに過ごしている。
問題の紫月くんとも、仲が良いとは言えないが以前より俺への対応が柔らかくなった……まぁ、間宮が俺にセクハラするのを見て、どす黒いオーラを出したりするが、それでも以前と比べるとマシになったような気がする。間宮はいい加減、マジで空気を読めるようになって欲しい。
そんな二人があれから多少は変わったかと言われると、そうでもなく、相変わらず間宮は男の尻ばっか追いかけ回しているし、紫月くんは静かに片想いを続けている。二人の関係がどうなろうと俺は口出しするつもりはないが、今後巻き込まれるような事だけは御免だ。
ともあれ、あんな事があったにも関わらず、俺たち三人は殆ど変わらない。強いて、変わったな、と挙げるなら……
「咲舞くん! ボク以外の事考えちゃ嫌だよ!」
この先輩は随分変わったと思う。
「考えてませんよ。先輩、どうしたんですか?」
今までが猫を被っていたのか、大人しくて可愛いかっただけなのに、今ではすっかり甘えん坊でちょっぴり我儘な恋人になってしまった。
怒っているのか、ぷぅ、と可愛らしく頬を膨らませジロリと此方を見る。怒った顔も可愛いなぁ、と見ているとポコッと小さく胸を叩かれた。
「名前!」
「え?」
「……名前で呼んでって言ってるのに。それに、敬語もヤダ。なんだか他人行儀みたい……」
つり上がった眉がみるみるうちにへにゃっていく。まずい、と思うが、そんな先輩がただただ可愛いらしくて……思わず頬が緩んでしまう。
「ごめん。つい癖で。そんな顔しないでよ、梓」
そう言って、柔らかい頬に手を伸ばせば、先輩は嬉しそうに擦り寄ってきた。なんだか、猫みたいな仕草で益々キュンとする。可愛い過ぎだろこの先輩。信者がいるのも納得だわ。
「ちょっと俺たち一緒なんだけどぉ?」
「あ、なんだ居たのか」
「居たのか、じゃないよずっと居るよ! 全く、この泥甘い雰囲気デジャヴなんだけど……」
ブツブツと文句を呟く間宮。嫌なら紫月くんとどっか行けばいいのに、毎度何でこいつは俺の所で飯食ってんだろ。
「それはだって、見てて面白いから」
「……今、声に出してたか?」
「顔に出てたよ。まこもそう思うよね」
「……別に。興味はない」
わー、紫月くんはまだまだ辛辣ぅ。そこまでハッキリ言われるとちょっと傷つくんだけど。
「そう? 最近のまこ、エマの見る目が違うようになったて言うか、前みたいに刺々しさがなくなったような気がするけど」
「………」
にこりと微笑んでそう言う間宮に押し黙る紫月くん。もしかして、照れてる……のか?
「やめろ」
「あ、はい」
紫月くんの顔を覗こうとして睨まれた。全くの勘違いだったみたいです。すごく険しい顔をなさってました。
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