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「三井さん〜…屋上って今11月なんだけど…!!わかってんの、マジで!!」
宮城がブルブルと震える身を縮めながら
三井にそう訴えはじめた。
そりゃあ、そうだ。当たり前だ。
11月、寒空のすぐ下。屋上で男3人。
寒いったらありゃしないだろう。
ここに桜木が居たら話は別なんだろうが。
「ビュービュー風吹いちゃって
こんなんじゃミーティングに集中できねーっしょ、さすがにさぁ!」
ブツブツ文句を言う宮城を
ハナタレの顔でギロリと睨む三井は
「ウルセェ!男がチョット寒いくれぇで弱音吐いてんじゃねーよ!」
と怒鳴りあげた。
が、流川は聞く耳持たず。屋上からさっさと出ていってしまう。
「あっ、コラ!テメェ流川待て!!」
その肩をガシリと掴み、引き止めると
その手は振り払われた。
「…さみーから、ミーティング無し。」
「コラ、勝手に決めんじゃねえぞ!!
これは先輩命令だっ!!」
三井が鳥肌になりながら
叫ぶ叫ぶ。
どうやら引っ込みつかなくなったようだ。
その様子を見かねた宮城が
三井の背中をチョンチョンとつつき、こう言った。
「じゃ三井さんそんなに屋上が好きならここで待ってていーッスから…
俺が流川に話すよ。そこのドア1枚挟んだ奥で。」
ウンウン、と流川が頷き
そのまま宮城と一緒に屋上を後にしてしまった。
寒さで青ざめた顔で
唇を思い切り尖らせ、しかめっ面になり
「ま、待て!ふざけやがって!!!
別に屋上なんか好きじゃねーぞ俺はぁ!」
三井がドアノブに手をかけようとした途端
扉が開いた。
「ぶっ!!」
その扉が顔に激突。
激痛が、高いその鼻に走る。
「あっ…三井さん、大丈夫すか?」
「…ぐぅ…っ、くそ…ウルセェウルセェ!
さっさとミーティングすっぞバァカ!!」
…
「鼻血出てる」
流川がボソリと呟いた
「うっせ流川!」
意地っ張りのおかげで散々な目の三井寿だった。
「んで、話ってなんすか。」
憤怒中の三井を置き去りに
流川が宮城に聞く。
宮城は流川の目を一瞬、見つめ
逸らした。
「…割と…スンナリ受け入れられる話かもしんねーんだけど…よ、」
「…」
「…花道と水戸、昨日付き合っちまったみてーで、…うん。」
「…」
…ガタガタっ、と三井の後ろにある扉が強い風のせいで激しく揺れる。
「…なんで」
控えめな流川の声が
そこで綺麗に響いたのが、少し驚きだった。
小さくても、意思の強い音だったから
かもしれない。
「なんで、なんでだろうなァ〜…
うまくやられたって感じだろ、水戸のヤツによ。」
「……で?」
「ん?」
ピタッと風が止んだ。
その瞬間に、流川が口を開いた。
「何かタイサク…考えてあるん…スよね?」
ニヤリ、宮城は笑った。
さすが流川。
負けず嫌いの男。
執行に真実を問いただすより、
俺らの言う事実を認め、
対策の案を進める。
この切り替えが バスケにより役立っているのか、とぼんやりそう思った。
「当然だ」
三井も、同じことを思ったのか
面白げに ニヤリと笑ったのだった。
「今日はその話がメインだぜ。」
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