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said:メイ
「先輩~!俺ちょっと野暮用で出掛けるね。すぐ帰るから」
「わかったー、メイくん気をつけてね!」
そんな先輩の言葉を背に、家を出た。
今日の天気は、俺の気持ちと裏腹にスッキリとした晴天。
折角の土曜、しかも先輩とゆっくりできる貴重な時間を棒に振ることになって俺はそれなりに機嫌悪いと思う。
それも仕方ないことなんだけど。
これから桃山に会いに行くから…
口汚いのは承知だけど、マジで胸糞悪い。
だけど、もう俺は過去のことから逃げないって決めた。
それに安心して先輩とイチャイチャしたいし。
そこで桃山と約束を取り付けたのが昨日。
だから待ち合わせ場所の、駅に近いファミレスに向かっていた。
10分程歩き、ファミレスに入る。
すると、桃山はもう来ていた。
「やっほ~メイくん待ってたよ。で、私のお願い叶えてくれるよね?」
俺が桃山のお願いを当たり前のように叶えると思ってるのが、凄くむかついた。
にっこりと微笑みながら、俺に手を伸ばしてくる。
その仕草でさえ、イライラするわけで……
先輩はもっと控えめだし、先輩の笑顔の方が断然かわいい。
先輩に会いたい。
そう思いつつ、席には座らずに立ったまま話す。
「何勘違いしてんの?俺は先輩と別れないし、桃山とも付き合わない。」
「…………え?」
「まさか俺が桃山と付き合うって本気で思ったわけ?中学の頃はアホな奴達にちやほやされてたけど、俺は桃山を可愛いなんて思ったことないし、俺が可愛いって思うの先輩だけだから」
思っていることを言うと、桃山はカッと赤くなりわなわなと震えた。
「そう………まあそれならそれでいいわ。その先輩もどうなってもいいってことだもんねえ」
そんなこと一言も言ってないし、ここまでくるともう呆れるしかない。
「それこそ勘違いだよ。先輩は俺が絶対に守る。桃山に手出しはさせない」
俺が誰かにこんなにハッキリと好意を示したのが初めてだから桃山はビックリしたのか、何も言わなくなってしまった。
俺もう帰っていいよね。
言うこと言ったし。
早く先輩に会いたいし…帰ろ。
俺はそう結論を出し、ファミレスを出た。
メイがファミレスを出た後桃山は写真を見つめ、ぐしゃっと握り潰した。
「許さないっ……許さない、雲雀 貴澄………!」
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