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「ったく……無茶しやがって……」
「ぐごごー」
「何で俺を頼らねんだよ……お前を守るって決めてんのに……」
気持ちよさそうに眠るシロの絹糸のような白髪を、レオンは傍に座り、不器用ながらも優しく撫でてやる。
「……寝てると余計に天使っぽいよな」
閉じられた瞼に長い睫毛、頬は熱のためか薔薇色に染まり、透き通るような白い肌によく映えていた。薄く開かれた唇からは、顔に似合わない大きなイビキ。その合間に僅かに聞こえる息を吸う音は、レオンの耳に、やけに艶めいて聞こえる。
「……無防備過ぎんじゃねえのか?」
そう、あまりにも無防備なその格好に、魔が差してしまいそうになるというものだ。
レオンはゴクリと息を呑み、じっとシロの寝顔を見つめる。そしてゆっくりと顔を近づけてゆく。
「あ!!!」
「!!!???」
バチッと音がしそうなほど勢いよくシロの瞼が開かれ、それと共に声を上げた。突然のことに、レオンも飛び上がりそうなほど驚き、近づけていた顔を大きく仰け反らせた。
そしてシロの口から発せられたのは……
「おっきいイカ!待って!イカリングにするんだから!……ぐごごご」
「はぁ!?」
一体何のことを言っているのか、訳のわからないことを口走り、途端にまた寝てしまった。
レオンは唖然としながら、今のは寝言だったのだと理解した。
「……相変わらず意味わかんねぇ……」
「ぐーぐーむむむ」
「そーいうトコも、可愛いんだけどよ」
つい魔が差してしまいそうになったレオンだったが、気を削がれた為に少々冷静になってきた。
子供のように体を丸めて眠るシロを抱きしめるようにして、レオンも横になる。ゆったりとした血流の脈動と、熱が体を通して伝わってくる。
「今はゆっくり休めよ」
「ん……ふふ」
また夢を見ているのか、シロはふにゃりと気の抜けるような、とろけた笑顔になる。誰も見ていないことをこれ幸いと、レオンは真っ赤になりながらもその頬に軽く口付け、一緒に眠ることにした。
おっきなイカ……料理して、レオンと一緒に食べた夢。
いつも僕を守ってくれる、大きな手。
優しく撫でてくれて、好きだなぁ。
大好きな彼が、キスしてくれた。
そんな、夢のような夢を見た。
昼下がりのエルドベリーは、いつもと変わらない活気付いた喧騒に溢れていた。
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