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2日目 3
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何事もなく授業が終わり、帰宅と掃除と部活に分かれる
勿論何もない俺はそのまま、ナツのクラスに向かう
「お、律じゃーなー」
「またなー」
「ばいばいっ、律くん!」
「おう」
掃除組から見送られ、教室を後にする
陽介はクラスの女子に囲まれていた
モテるというのは羨ましいとずっと思っていたが、こう…目の当たりにするとさっさと帰れないしあんまり良いことじゃないのかなとか思ってしまう
ナツのクラスを覗き、近くの子に声をかける
「あ、あのさ、夏生いる?」
「なっちゃんですか?…あ、なっちゃーん!お迎え来たよー!」
「はぁーい」
「…お迎えって…」
幼稚園かここはとツッコミたくなったが、嬉しそうに笑うナツを見ると何も言えなくなるのは義理とは言え、兄貴なのだ
妹が笑う姿を見るだけで俺は頑張れる
「りっちゃん、おっそーい!」
「はぁ?結構早いほうですぅー!」
ナツのクラスメイトは俺たちのこの言い争いを微笑ましく見ている
いつもの光景だ、羨ましいとよく言われているそうだ
「ほら、いくぞ」
「うん!みんな、またねー!」
ナツが教室内に向かってそう言うと口々から返事が返される
俺とは違って人当たりの良いナツだからこそ、愛され可愛がられているのだと俺は思う
「今日ねー、先生がいなくて自習だったんだけどー…」
「うんうん」
俺たちは目的地まで今日あった出来事をたわいもなく話していた
話すというよりか、ナツが話すのほうが合っているのだが
「そー言えば…クラスの子が転校生のこと噂してたんだけど」
「……陽介か?」
「そーそー!ヨースケ!えと…ホヅミだっけ」
話は転校生の話に変わる
穂積陽介…俺の後ろの席、俺と結婚するために来たとか言ってたアイツ
「陽介がどうした」
「なんかねー、女遊び激しいとかって噂してたの
りっちゃん、知り合いでしょ?何か知ってる?」
「…女遊び、ねぇ…」
まぁ、あれくらいのイケメンが女遊びしてると言われたところで驚きはしないが…
「アイツはそんなこと出来ねぇよ」
俺だけは断言出来る
陽介に…あの頃のよーくんに、女遊びが出来る勇気と気力がないことを
………でも、何でそう思うのかは思い出せなかった
「ふぅん、やっぱりそうだよねー」
噂はデマだーって教えてやろーっとと元気よく笑うナツ
ナツのその優しさが今の俺には苦しかった…
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