アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
人狼編(11)
-
5日目・昼
やっぱり、睡眠というのは大切だ。よく眠れたおかげで、疲れもとれた気がする。
すっきりとした気分で集合場所に向かうと、既に全員集まっていた。
「シン無事か!今日は全員いるな!」
ミナトが嬉しそうな顔をしている。
「そうなのか。それはよかったよ」
腐女子の正体がわかったという点では、俺も嬉しい。
5日間の情報を合わせると、こんな感じになる。
・ゲイ
シン
ヤス
ケイゴ…腐男子
・ノンケ
エドガー
ユタカ
コタロウ…スパイ
ミズキ
ミナト
ナオキ…占い師
ユウスケ
・腐女子
ユキト
今残っているのは、ゲイ1人、腐男子1人、ノンケ2人、腐女子1人ということだ。今日の昼に腐女子を追い出し、夜にノンケを1人襲えば、明日はゲイ1人、腐男子1人、ノンケ1人になるから、そこで腐男子に正体を告げ、2人でノンケに投票すれば大勝利だ。
うーん、順調!頭良さそうな人を先に潰しといて正解だった。
「では、全員集まったので、今日の話し合いを始めます」
<話し合いスタート>
残り人数 5人
シン
ユキト
ケイゴ
ミズキ
ミナト
×ナオキ
×ヤス
×エドガー
×ユタカ
×コタロウ
×ユウスケ
シン「誰も欠けてないな。ボディーガードのおかげか」
ミナト「そうだね!ゲイが腐女子を襲おうとしたって可能性もあるけど」
シン「じゃあ、早速だけど、占いの結果はどうだったんだ?」
ケイゴ「ああ。えっと…占いの結果、ユキトがノンケだった」
…え
ユキト「そうだ。俺はノンケだ。ということは、ゲイはもう確定したな」
視線がミナトに集まる。
ミナト「え…?お、俺…?」
ユキト「もうケイゴが占ってないのはミナトだけだ」
ミナト「えっ?ど、どういうこと…?」
これはまずい。ミナトが追放されたら、ゲイ1人、ノンケ1人、腐男子1人、腐女子1人になる。夜にノンケを襲うとゲイとノンケが同数になり、腐女子の勝ちになってしまう。だから今夜は腐女子を襲うことになる。すると明日はゲイ1人、ノンケ1人、腐男子1人、腐女子1人のまま。この投票で腐女子を追放しないといけないけど、果たしてできるだろうか…。
予想外の展開に焦った俺は、あまり検討せずに口走ってしまった。
シン「ミナトは、ゲイじゃない。ゲイは俺なんだ」
場が静まりかえった。
ケイゴ「シン…?お前は、ノンケだぞ!俺の占いでそう出てただろ?」
シン「ケイゴは偽の占い師だ。わかってるだろ、ミナト、ユキト」
ミズキ「え?なにどういうこと?」
ミナト「たしかに、俺はゲイじゃない…。ケイゴは偽物なのか…?」
ユキト「……」
どうする。どうする俺。
シン「ケイゴは、腐男子だ。そうだよな?」
ケイゴ「いや、その…そうだけど…」
シン「ユキトは、腐女子だ。昨日襲おうとしたが失敗した」
ユキト「…言い逃れはできなさそうね」
ユキトはため息をついた。
ユキト「そうよ、わたしは腐女子。洋子ちゃんの紹介でこの島に来たけど…好みの人はすぐいなくなっちゃうから、あまり楽しめなかったわ。シン、趣味が似てるのね」
シン「うるさい」
ミズキ「全然ついていけないよぉ…」
これで全員の正体がもろバレだ。
…全員?
何か忘れているような…。
ユキト「それじゃあ、ミナトどミズキ、今からすべきことはわかるよね?シンに、投票するのよ」
シン「お、おい、それじゃユキトの勝ちになるじゃないか」
ミナト「そうだ。負けるために投票するなんて…」
ユキト「何言ってるの?ミナトはもう負けてるじゃない?」
ミナト「え…?」
ユキト「気づいてないの?ここでわたしを追放したら、夜に1人襲われて、明日の朝に残ってるのは、ゲイ1人、腐男子1人、ノンケ1人になる。ゲイと腐男子は仲間だから、ノンケに投票して追放する。そしたらゲイとノンケ、ここではゲイと腐男子になるけど、2つは同数になるから、ゲイの勝利になる。どうせ負けるなら、襲われずに負けたほうがいいわよね?襲われたいっていうなら、わたしに投票してもいいけど。それはそれで大歓迎だし…」
ユキトはにっこりと笑う。
ミズキ「そ、そんなの絶対やだよ!僕はシンに投票する!」
ミナト「そう…だな」
シン「待った待った待った。まだ諦めるな!」
そうだ。思い出した。
シン「まだ誰かわかってない役職が1つあるだろ?ボディーガードだ」
ユキト「たしかにわかってないわね。それがどうかしたの?」
シン「ミズキとミナトのどちらかが、ボディーガードという可能性もあるということだ」
ユキト「だからなんなのよ……あ!」
シン「どちらかがボディーガードなら、今日の夜、俺の襲撃は阻止される可能性がある。すると、明日の朝残ってるのは、ゲイ1人、腐男子1人、ノンケ2人だ。投票だと2対2になるから、引き分けになるんだ。…引き分けの場合はどうなるんだ?鴨くん」
鴨「投票結果が引き分けで膠着状態になった場合、そこでゲームは終了となります。ちなみに報酬は、勝利、引き分け、敗北の順に下がっていきます」
シン「なるほどっ!襲われずに負けるよりは、襲われずに引き分けたほうがお得ということだっ!…な?わかったらユキトに投票しよう」
ユキト「いやいやいや、そんなに上手くいかないよ。襲われて負ける可能性だってある。それに、ボディーガードがもういない可能性もある。ここでわたしを勝たせておくのが一番安全よ」
シン「体は安全だが結果は最善ではない。ボディーガードさん、まだ残っているなら俺と勝負しよう。俺がボディーガードが誰か見抜くか、ボディーガードがバレずにノンケを守れるか、そのどちらかだ」
ミナト「…ちょっとミズキと2人で話し合わせてくれないか?」
ケイゴ「おいおい、それはズルいだろ」
シン「いや、いいよ。俺は耳を塞いでおくから」
ケイゴ「あっはい先輩」
俺とケイゴとユキトは、後ろを向いて耳を塞いだ。2人の声は聞こえない。
しばらく経って、肩を叩かれた。
ミナト「話し合いは終わった。投票に移ろう」
<結果>
ユキト 4票
シン 1票(ユキト)
「あらら…負けちゃったか」
ユキトが残念そうに言った。
「それじゃ、さようなら。シンが襲ってる映像見るの楽しみだな。応援してるよ!」
ニコニコしながらユキトは去っていった。
ミナトとミズキも、目を合わせることなくそそくさとコテージに帰っていった。
「あ、あのさ、シン…」
ケイゴが小声で話しかけてきた。
「なに?」
「ごめん、まさか本当にヤスがゲイだとは思わなくて。テキトーにゲイを指名してかき回すつもりだったんだけど…」
「ああ…別にいいよ。しょうがない」
それ以上特にケイゴに話すこともないし、そのまま帰ろうとしたら、腕をつかまれた。
「あのさ!聞きたいこと、あるんだけど…」
「はあ」
ケイゴは目をキラキラさせている。
「誰が一番気持ちよかった?」
俺は無言で蹴りを入れ、コテージに帰った。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
26 / 151