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3人人狼編(5)
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1日目・夜つづき
side:アラン
シンは心ここに在らずといった感じで出て行った。それはいいけど問題は…
「ふたりっきりだね」
ヤスは、自分でかっこいいと思っていそうな微笑みを浮かべている。
それをかっこいいと思えない僕は、さっきまで振りまいていた愛想を全て取り払った。
「ああ、そうですね」
「あれ?さっきより距離を感じるな」
「ふたりっきりの距離感です」
「どうして敬語に戻ったの?」
「ふたりっきりのときくらい敬語でいいじゃないですか」
「普通逆では…」
シンがいない時にまであれを続けてたら、どうなってしまうかわからない。食われることは確実だろう。そんなの断固拒否だ。
「ま、まあ…いいや。それより、せっかく二人になったことだしこれからベッドで」
「寝ましょうか」
「んんん?!」
「明日もありますし」
エッチな事態を回避しようと自分のベッドに上がった僕に対し、逃がさまいとするようにヤスは肩を組んできて、ベッドの縁に2人で並んで座る形となった。
「アランさ、このゲーム参加するの初めてなんだよね?」
「そ、そうですけど…」
何か不自然な点でもあっただろうか?
僕が少し動揺すると、ヤスは嬉しそうに体を密着させた。
「やっぱり…アラン、気になってるんだよね?」
「何がですか?」
「男同士のやり方」
「……は?」
何の話だ、突然。
「アランって、男同士は未経験だよね?勝手にそう思ってたけど」
「は…はい」
一瞬、エドガー先輩とのことが脳裏に浮かび、なぜかぞくっとした。
「じゃあ、困っちゃうよね。やり方も知らずに男を襲えって言われても。この先ずっとシンにやらせるわけにはいかないし、アランにも教えてあげないとな。丁寧にゆっくりとね。ふふふ」
「お前…職場でセクハラして干されるタイプだろ」
下心を全く隠そうとしないヤスに呆れ、思わず暴言を吐いてしまった。
ところが、ヤスはにこにこ笑っている。
「嬉しいよ!アラン」
「何がですか?」
「アランって、初めて会ったときからずっと思ってることを口にしてないように見えたから。今の、本音っぽくてすごくいいよ!」
「はあ…」
本当の姿を見せていないことがわかってるなら、どうしてヤスは僕と付き合うなんて言ったんだろう。
「もっとたくさん教えてよ、アランのこと。俺もお礼にいろいろと教えてあげるから」
そう言うとヤスはベッドから立ち上がり、僕の正面に跪いて腿を撫でてきた。
「ヤスさん、僕、教えてほしいことがあります」
「え、なに?大丈夫、どんなことでも俺が全部」
「昼の立ち回り方についてです」
「……え?」
「昼は全員集まって話し合いがあるんですよね?僕、どうしてればいいのかわかりません」
「アラン、ゲームに対してそんなにやる気があったの?」
「初めてなんでよくわからないんです。教えてください!」
「え、う、うん…」
そうして夜は更けていった。
今の僕は加害者だ。エドガー先輩を襲った2人の仲間になって、罪のない人を強姦して…。
でも、これはエドガー先輩のためなんだ。僕がこうしているおかげで、エドガー先輩はおかしくならなかった。
今回のゲームに勝てたら、僕はエドガー先輩の記憶を抹消したい。もちろん、シンについての記憶を。
そうしたら、エドガー先輩は本当の本当に元どおりになる。
全部、エドガー先輩のためだ。
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