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3人人狼編(9)
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2日目・夜つづき
side:アラン
結局、ナツキを襲うことはできなかった。ナツキの部屋のドアには鍵がかかっていたのだ。
ナツキは腐女子ではないから、ボディーガードに守られていたのだろう。
よかった。本当に。
と思うと同時に、ほんの少し残念に感じている自分もいる。
僕の行動は全てエドガー先輩のためなのだ。ひどい目にあえばあうほど、やりがいを感じる。
まあ、実際やるはめになったらそれどころじゃないかもしれないけど…。
そんなことを考えながら帰っていたが、自分の部屋のドアの前に着いた時、はっと立ち止まった。
中から、変な声が漏れ聞こえている。
中にいるのはシンとヤスだ。これはもしかして…
ドアを少し開けると、予想通りの光景が目に飛び込んできた。
「ふぅ…あっ、はあっ、ヤ、ヤス…」
「どうしたの、そんな可愛い声出して」
「だ、だって、気持ちいい、からぁっ…」
「ふふっ。素直なシン大好きだな。指の数、増やしちゃおう」
「ふああ…」
…死ねばいいのに。
僕はそっとドアを閉じた。
さて、どうしよう。さすがにこの部屋には入れない。もっと言うと入りたくない。
かと言って他に行くところもないし。
透や洋子…はだめそうだから、村木に相談してみようかな。部屋を用意してくれるかもしれない。
しかし、僕のそんな計画はすぐに阻まれてしまった。
向こうからドアを開けられてしまったのだ。真っ裸で勃起中のヤスが立っている。
「アラン、どうして入らないんだ?さっき、入ろうとしてやめたよな」
「…邪魔しちゃ悪いですから」
「大丈夫!気にしないよ。入りなよ!」
「僕は気にしますし…だいたいシンも…」
「シンも気にしない。そうだよな?」
ヤスはシンの方を振り向いた。
シンはこちらをぼーっと見つめている。
目がとろんとしていて、なぜか少しドキっとしてしまった。
「なんでもいいから…戻ってきて、ヤス」
「はは、すぐ戻るよ」
ヤスは嬉しそうに笑って僕の手をとった。
「シンも気にしないって。だから早く入りなよ。そんなとこでうろうろしてたら、誰かに見られて怪しまれるよ」
「で、でも…」
「大丈夫だよ。俺たち、恋人だろ?シンと俺も恋人同士。つまり、この部屋は恋人が2組もいるかなりハッピーな部屋なんだよ。どうしてそんなにためらってるんだ?」
「はあ…??」
ヤスに手をグッと引っ張られ、僕は部屋の中へ連れ込まれた。
「さて、恋人がたくさん集まったら、やることは一つだな」
ヤスは僕の体を引き寄せ、抱きしめた。
「なんだと思う?」
「……民事訴訟」
「もっと楽しいことだよ。答えはセックスだ」
「は…」
僕はさっとヤスの腕から逃げた。
しかしヤスは気にする様子もなく話し続ける。
「あ!そういえば、大事なこと聞くの忘れてたな。アランって、上がいいの?下がいいの?」
「…上?下?」
「ペニスを挿入する側か、される側か」
「そ、挿入…」
エドガー先輩とのことを思い出す。
あの時、結局挿入はしなかったけど、僕が上だったということだろうか。
「ま、どっちでもいいよ。どっちみち、アランは入れられる側だ。俺にかかれば、ノンケだってタチだってアナルの魅力に気づかせることができるからね」
再び、エドガー先輩を思い出す。
たしかエドガー先輩は、ヤスに触ったことのないところを触られ、男に目覚めてしまったと言っていた。
あれはつまり…こういうことなのか。
ぼーっとした隙をつかれ、ヤスにその場で押し倒された。
「痛っ…」
「ああ、ごめんな、アラン。床にぶつけちゃって。すぐ気持ちよくしてあげるから」
「し、シンが待ってるんじゃないですか?2人で楽しんでください」
「ふふっ気を遣わなくてもいいよ。俺は今アランを開発したいんだ」
「そ、んな…」
ヤスは僕の服をせっせと脱がせていく。
このままじゃ、やばい。僕の処女が奪われてしまう。
エドガー先輩は、どうだったんだろう。
この恐怖と気持ち悪さを感じながら犯されたんだろうか。
それなら…よかったじゃないか。
エドガー先輩が感じるはずだった気持ちを、僕が代わりに感じてあげられてるのだ。
僕、役に立って……
「アラン、どうしたんだ?」
ヤスが動きを止め、僕の顔を覗き込んだ。
「…泣いてるけど、何か悲しいことでもあったの?」
「え…?」
頬が冷たい。
なぜ僕は泣いているんだろう。
何も怖くなんてない。男とのセックスならもう経験したことだ。今度は相手がエドガー先輩じゃなくて、ヤスとシンってだけだ。
「助けて…」
口から勝手に言葉が溢れる。
「助けて、エドガー先輩…」
違う。何言ってるんだ。
エドガー先輩と一緒にいるためにやっていることじゃないか。
僕は、自ら望んで…
「アラン!」
ドアの開く大きな音と共に、聞き覚えのある声が響いた。
「え…?」
エドガー先輩だ。
息を切らせたエドガー先輩が立っている。
どうして…どうしてここに?
「エドガー…だね?ここは部外者は入れないはずじゃ……ぐふっ」
エドガー先輩は部屋の中へ飛びこみ、僕の上にいたヤスを蹴り倒し、僕の腕をつかんだ。
「行くぞ、アラン」
「え?で、でも…」
「助けてほしいんだろ?…今度は俺が助ける番だ」
「え…え?」
「細かい話は後だ。走れ」
「は、はい!」
僕はエドガー先輩に引っ張られ、部屋から出て走りだした。
わけのわからない状況なのに、不思議なことに、気持ちはすっと落ち着いていった。
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