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3人人狼編(14)
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4日目・昼
side:シン
次に目が覚めたときには、なぜか自分の部屋に戻っていた。
「あ、起きたね」
目を開けた瞬間、ヤスの顔がドアップで飛びこんでくる。
「う、うわ!」
「おはよう。どうしてシンがここにいるかというと、昨日の夜気絶していたシンを村木さんが運んできてくれてからだよ」
「あ、そう…」
「俺の顔がこんなに近くにあるのは、シンが全然起きないから死んでるんじゃないかと思って確認してたからだよ」
「へえ…生きてるよ…」
ヤスはやけに早口でぽんぽん話している。
「それはよかったよ」
そしてお互い言葉が出なくなり、静かになった。しかししばらくして、ヤスはやけに明るい口調で話しだした。
「昨日は、何があったの?俺はてっきりシンはあの瓶を使ってさっさと帰ってくると思ってたけど、結局ショウヤとやったってこと?」
「ええと…色々あって」
「色々って?」
何を話すべきだろうか。告白のこととか…黙ってたほうがいいんだろうか。
「えっと…あの瓶は使った。でも間違えて俺まで巻きこまれちゃって、その後気を失ったから帰りが遅くなったんだ」
「なんだ、そんなことか。どう?あれ、気持ちよかった?」
「そんなことって…」
やっぱり、カケラも心配してくれないのか。彼氏が謎の生物に犯されたのに…。
「…あと、告白されたよ。ショウヤに」
隠そうと思っていたのに、思わず口に出してしまっていた。
心配してほしいとか、もっと気にしてほしいとか、そういう気持ちがあったからかもしれない。…こんなことくらいで、ヤスが嫉妬とかするはずないんだけど。
「…え?告白?」
「ああ。詳しいことはよくわからないけど、前から俺のことが好きだったらしい」
「………」
ヤスはぽかんとした顔で俺を見ている。
ショウヤはノンケとして参加していたし、さすがに予想外だったんだろう。
「…シンはどう返事したの?」
「返事する前に瓶が割れて、大変なことになった」
「そっか。…おめでとう」
ヤスはにっこりと微笑んだ。
「おめでとう?」
「告白されたら、嬉しいでしょ?付き合うかどうかはわからないけど」
「ヤスは……」
言葉に詰まってしまった。
ヤスは、俺がショウヤと付き合ってもどうでもいいんだろうか。
そもそもヤスは、どうして俺と付き合ってるんだろう。俺の一体どこがいいんだろう。ゲームの時くらいしか会ってないし、俺もヤスもお互いのことは何も知らないに等しい。
…やっぱり俺のことなんて、好きじゃないんだろうな。ただやらせてくれるから付き合ってるだけで。
そんな関係やめにして、ショウヤと付き合ったほうが、俺は幸せになれるんだろうか。
俺がそんなことを考えてると知らないヤスは、機嫌がよさそうに笑っている。
「ふふ。そろそろ行かないとね。俺が先に行くから、シンは後から来てね」
「あ、うん…?」
ヤスに手首を掴まれた。
「好きだよ、シン」
そう言ってヤスは俺の手の甲にキスをした。
「じゃあ、行ってくるね」
「な、なんだよ…」
心臓がドキドキしている。やっぱりヤスのこと、好きなんだよな…。
「さあ!今日はこれで全員ですね!おやおや、ショウヤくんとアキラくんがいませんねー」
集合場所では、洋子が相変わらずのんきに話している。
「ということで、今回はこのメンバーで話し合いスタートです!」
<話し合いスタート>
残り人数 9人
シン
ヤス
ナツキ
ソウタ
ミコト
マサジ
ナルミ
ゴロウ
カエデ
×ヨウ
×ハヤト
×アラン
×ショウヤ
×アキラ
もちろん、ショウヤは俺が襲ったからいなくなった。ではアキラは?他にいなくなる理由としては、アキラが腐女子で占い師に占われたってとこだろう。
つまり今占い師を名乗っている人は、ショウヤかアキラのどっちかを占ったことにしなくてはならない。
シン「じゃあまず、昨日の状況を確認するか。ゴロウはどうだった?占いは」
ゴロウ「そうだなぁ。シンはゲイじゃなかったな」
シン「……うん。そうか」
ゴロウは脱落かな。他の人が気づくかどうかだけど。
カエデ「じゃあ次に僕の占い結果を話そうかな。アキラを占ったんだけど…腐女子だったみたいだね」
ナツキ「どうしてそんなことわかるんだー?」
カエデ「ルール、忘れちゃったかな?占い師が腐女子を占うと、腐女子は追放されちゃうんだよ。アキラ、いなくなってるよね」
ナツキ「ほんとだな!」
ナルミ「あれが女装だったなんて…騙された…世も末だ…」
ナツキ「女装じゃなくて男装だろー?ごっちゃになってるぞ」
ナルミ「ああ僕は本当に役立たずだ…」
ミコト「そうだな役立たずは黙ってろ」
ナルミ「ちょっと死んでくる」
ソウタ「ということは、ゴロウの占いっておかしいんじゃ…?」
ゴロウ「おっ。どうしてだ?」
ソウタ「ゴロウを信じるとしたら、腐女子が追放されたわけでもないのに2人いなくなってるから…それってありえる…のかな…へへへ…」
カエデ「ううん、そんな事態考えにくいよ。ゴロウは偽物ってことだね」
ゴロウ「まあまあ、待ってくれよ。アキラは帰ったんじゃないか?自分で」
カエデ「…えっ」
ゴロウ「泳いでさ」
ナツキ「なるほど!その手があったか」
ミコト「おい、ふざけるな。そんなことあってたまるか」
ヤス「ゴロウは置いといて…俺の占いも発表していいか?」
カエデ「あ、そうだね。ヤスも一応占い師を自称してたっけね」
ミコト「こいつは信用ならんな。昨日のこともあるし」
ヤス「まあまあ。俺はショウヤを占ったけど、腐女子だった」
カエデ「そっかあ。まあ、そう言うしかないよね」
ヤス「まあ、そうだったからね」
シン「…ひとまず、ゴロウを追放していいんじゃないか?ハヤトの占いを間違えてたのもあるし、占い師じゃないのは確実だ。つまり、ゲイってことだろう。ヤスはまだ、アランにはめられた可能性もあるし、今のところ間違ったことは言っていない」
ナツキ「うん、そうだな!ゴロウを追放すれば、万事解決だ!」
ナルミ「でも、ゲイはもう1人いるよな。全然進んでないよ…」
シン「それなら、明日ヤスを追放すればいいんじゃない?より怪しい方を先に追放したほうがいいと思うな」
カエデ「でも、ゴロウがゲイじゃなかったらどうするの?明日の昼に2人もゲイが残ってることになっちゃうけど…」
シン「大丈夫だよ。そうだとしても、ノンケはこの場からゴロウとゲイ2人を抜いた6人も残ってる。6対2ならまだ余裕だよ」
カエデ「う…うん…?そうなのかな…?」
少し嘘とテキトーを混ぜてみた。
シン「ところで、カエデはどうしてアキラを占ったんだ?」
カエデ「え?えーと、敵に回したくないと思ったからかな?正体を知っておきたいというか」
シン「どうして??」
カエデ「頭、よさそうだなと思って」
シン「…そうか」
いいことを聞けた。ゲイは目立ってはいけない。あまり鋭いことを言ったりすると、占い師のターゲットにされてしまう。
マサジ「むにゃ…あ、おはよう…」
ナツキ「相変わらずマイペースだな、マサジは!」
マサジ「今…どうなってるの…?」
ナツキ「えっとなー…どうなってるんだ?」
シン「カエデとヤスとゴロウの中で、本物の占い師は誰なのか話し合ってるところだ。そして恐らくゴロウは偽物だ」
マサジ「じゃあ、もう投票?」
カエデ「ううん。昨日のアランの一件もあるし、ヤスも怪しいなって話してたよ」
マサジ「アランの一件…?」
カエデ「アランが自分がゲイだって自白して、さらにヤスもゲイだって告発したときのことで…」
ミコト「おい。この時間、無駄だろ。話を聞いてないヤツに丁寧に説明する必要はない」
カエデ「そんなことないよ。僕たちも、整理することで状況がわかりやすくなるし」
ミコト「ふん。無駄だと思うがな」
ソウタ「あ、あのさ…ゲイってこの場にあと2人いるんだよね。占い師3人の中に2人いるならいいけど、そうじゃない場合、ほ、他に誰が候補になるのかな」
カエデ「そうだね、考えてみようか。怪しい人は絞られたほうがいいよね」
カエデは皆を見回した。
カエデ「まず、ナツキ」
ナツキ「おう!」
カエデ「ナツキは2日目の昼に、この中に知り合いがいるって言ってたよね。そして反論する人はいなかった。つまりナツキは確実にノンケだ」
ナツキ「正しいぞ!」
カエデ「ヤスとゴロウの両方がゲイっていう可能性もなくはないけど、けっこうハイリスクだよね。少なくともどちらかは必ず偽物と判断されるし、アランもスパイを騙っていたから、全員潰される可能性もある。だから僕は、3人目のゲイは、ナツキと占い師を名乗っている3人以外の中にいると思うよ」
ナツキ「それって誰だー?」
カエデ「シン、ソウタ、ミコト、マサジ、ナルミだよ。この5人のことは、僕は占ってないからわからない。ヤスが本物だったとしたら、昨日の占いの結果からして、ソウタはノンケってことになるけど」
ミコト「手がかりが少ないな」
カエデ「そうだね。じゃあ手がかりを1つでも増やすために、ナツキに聞いておきたいことがあるな」
ナツキ「お?なんだ?」
カエデ「シン、ソウタ、ミコト、マサジ、ナルミの中で、知り合いじゃない人を1人教えて」
ナツキ「ん?例えばシンは違うけど」
カエデ「そっか。じゃあ今夜占い師は、みんなシンを占うことにしよう」
シン「…え?」
カエデ「僕は本物の占い師だよ。もしシンを占われるのがまずかったら、きっと僕は今夜襲われる。明日僕がここに来なかったら、シンはゲイってことだ」
シン「い、いや、でも本物の占い師なら、たとえ俺がゲイじゃなくても狙われるんじゃないか?」
カエデ「狙う価値は減るよ。占っても意味がない相手を占うとわかっているなら、ボディーガードに阻止される危険性を無視してまで僕を襲わないと思うな。それに、襲った時点で僕が本物っていうのは確定してしまうし。それよりは、ナツキとか襲ったほうがいいんじゃない?確実にノンケだし、もう1人の知り合いが誰なのか口封じができるし」
ナツキ「んん?なんか俺犠牲にされてる?」
カエデ「ナツキは犠牲になるくらいしか存在価値なさそうだからね」
ナツキ「んんん?!」
カエデ「ははは。冗談だよ」
どうしよう。よりによって俺がターゲットにされるとは。俺が占われたらマズイ。非常にマズイ。
シン「…占う相手、俺じゃないほうがいいぞ」
カエデ「どうして?」
シン「どうせならゲイを占ったほうがいいだろ?俺はノンケだし…」
カエデ「それはみんなそう言うよね。ヤスとゴロウは?シンを占うのは嫌?」
ヤス「嫌じゃないよ、別に。誰でも」
ヤスはそう言うしかないよな…。
カエデ「うん。じゃあ、シンにしよう」
ミコト「ま、それはなんでもいいが、今日は誰を追放するのか早く決めないか」
カエデ「ゴロウかヤス…どっちでもいいんじゃない?どうせ2人とも追放になるし」
シン「カエデは?なんかカエデが正しいのは前提みたいな感じで話してるけど」
カエデ「うん、そうだね。僕にとっては前提だし。シンは僕が怪しいと思うんだ?」
シン「いや……カエデ、今日やけにしゃべってるよな。自分に疑いが向くのが嫌で自然とそうなってるんじゃないか?」
カエデ「え?いや違うよ。僕はゲイを早く見つけてゲームを終わらせたいだけだよ。この先もみんなで力を合わせて頑張ろうね!」
ミコト「お前なんかウザいよな。わざとらしくて」
カエデ「ひどいなあ」
シン「とにかく、今日はゴロウでいいんじゃないか?まだ時間はある。怪しい人は追放しておこう」
ナツキ「そうだな!まだまだ楽勝だ!投票始めよう!」
洋子「はーい!了解です!」
<結果>
ゴロウ 8票
ソウタ 1票(ゴロウによる)
「ど、どうして!どうして俺に1票!」
「1番顔がムカつくんでな」
「そんなああ」
なぜかソウタが崩れ落ち、ゴロウはおとなしく連れられていった。
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