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朝
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自室から出て、眠気のせいかフラつきながら階段を降りた。
「こら、陽一。ちゃんと降りて。足滑って階段から落ちたらどうするのよ!」
「へいへーい」
一階から顔を出す母に適当に返事をする。
廊下からいい匂いがして、お腹がなる。
今日はなにかな。
なんでもいいけどカツ丼食べたい気分。
カツ丼を想像しながら自分の特定の席に座ると料理が出された。
しかも、今日はこれだからね。なんて言われて俺の考えてた事を読み取ったのだろう。
恐ろしや。
「あれ?父さんは?」
「朝早くバタバタしながら仕事行ったわよ。朝早いなら早寝しろって言ったのに…もう」
「ふーん」
「あ、そいえば」
母さんはなにか思い出したかのように、左手の平を右手の拳で上から軽く叩いた。
「隣の405室に誰か引っ越してくるらしいわよ」
「まじで?どんな人?」
「んー、管理人さんあんま教えてくれなかったけど、確か若い男1人らしいわ。」
「ひとり?」
一人暮らしなのか?
だとしたらどこかのお坊ちゃんかな?
俺が住んでるマンションはまわりのマンションよりは少しお高いところらしい。
だから家族の住人が多い。むしろ一人暮らしなんてはじめてなのかもしれない。
「暇があったらあなた、挨拶してきてね。」
「なんで俺なの。普通あっちが挨拶するもんでしょ」
「やあね、一人暮らしよ?慣れない事もいっぱいだし私たちが助けなくてどうするの?」
「確かにそうだけどさー…」
「うん、頼むわね」
「え、ちょ」
俺の意見も聞かずにキッチンへと戻っていく母。
母さんが挨拶すりゃーいいじゃん。
なんて心の中でひっそり文句を言う俺。
母さんにはかないません。
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