アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
ごはん
-
side 真白
「じゃあ、作ってくるから」
その人はそう言うと部屋を出て行った。ドアは開けっ放し。
変な人だと思った。
床で寝てたら、どうしてだとか聞くし。セックスしないのに、ベッドを使っていいと言うし。
何より、僕を殴らない。
優しくしてくれた。そんなことしてくれる人、今までいなかったのに。
腕や足に巻かれた包帯。これも、あの人がやってくれたのだろうか。
優しくして、僕を安心させて、また捨てるのかな……。
……それは、ちょっとやだなぁ。
考えごとをしてると頭がクラクラしてくる。いつもそうだ。
眠くて、眠くて仕方なくなる。
だから、あれこれ考えるのは嫌いだ。
ごはん、どれくらいで出来るのかな……。
ごはんは嫌い。だって、味がしないから。
何を食べても味がしない。ゴムを食べてるみたいで、気持ちが悪い。
でも、食べないといつも怒られる。
死んだら面倒だから、って。
生きてても迷惑だって言うくせに、死んでも迷惑だなんて。
……僕って、何なんだろうな…。
今日は、どうやって美味しそうに食べよう。
どんな味がする物なんだろう。
何て答えれば、怒られないかな…。
殴られるのは、痛いのは、嫌だなぁ…。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
7 / 48