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拒絶
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「誰って……お前、俺のことわからないのか……?」
「わからないも、何も……お兄さんのこと、僕、知らない……です」
どういうことだ……?
記憶が……無くなっている?
背後に立つ四条先生を見遣ると気まずそうに目を逸らされた。
やはり、この人と裕人達は何か知っている。
「僕……帰らない、と……っ!?」
「危な――」
「…っ……触らないでッ!!!」
ベッドから降り、立ち上がろうとした真白の膝が折れる。
倒れる前に支えてやらなきやと咄嗟に伸ばした手が、真白腕に触れる。
途端、手の甲に痛みが走った。一瞬、何が起こったかわからなかった。
手を払われたのだと気付いた頃には、真白はもう床に座り込んでいた。
その怯えた瞳は、確かに俺のことを見ている。
「ま、真白……」
「来ないでッ……触らないで…気持ち悪い……ッ」
ズルズルと後退り自分の体を抱え真白は首を振った。
それは、真白が初めて見せた明らかな拒絶だった。
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