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1 熟れる焦燥 暁仁side
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夜出歩くのはいつもの事だ。
今日は金曜日で、普段仲間とたむろしている場所は賑わって居て煩い。
だから静かな道を選んで歩いていた。
ただそれだけだ。
本当に深い意味は無く、何日も前からこの金曜が来るのを待っていたなんて事は有り得ない。
ましてや、委員長の姿を探している、なんて。
「あー、クソ。新しいの買って来りゃよかった」
ポケットに手を突っ込んでから、さっき煙草の空箱を捨てた事を思い出す。
少し…いや、結構前からこの辺を歩いているがあいつの姿は見当たらない。
別に待ち合わせした訳でも無いんだから当たり前かも知れないが。
とにかく、このまま帰ってしまう前に少しでも時間稼ぎをしようと思ってポケットに手を伸ばしたのに、この有り様だ。
「……ダッセェ」
一人で空回ってる上に往生際が悪い。
手持ち無沙汰になった手で頭を搔きながら、それでも足は動かないままだ。
暫く考えた後、すぐそこの小さな公園のベンチで休む事にした。
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