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マコが退院したかと思ったら、
すぐまた入院になったことがあった。
いつだったろう。
潤が、
また思わず真実を抱きしめて、骨折させてしまったと、
佳子が泣きながら電話をしてきた。
肋骨が折れて、肺に刺さった。
その時の様子を、母から聞いていた。
『潤を叱らないであげなさいよ。
潤はね、
佳子さんが帰ってきた事が嬉しかったのよ。
マコが帰ってきたことも。
あまりに嬉しくて、走って行ってマコを抱きしめたの。
あっという間で、私も佳子さんも止められなくて、、。
マコが悲鳴をあげて、蒼白になっていってぐったりしていって、
佳子さんが、叫んで潤を突き飛ばしたわ。
救急車が来て、二人がいなくなった後も、
潤は床に座り込んだまま、泣きもしないでじっとしてた。
佳子さん、必死だったから、潤に声をかけることも出来ないで行ってしまった。
潤がどれだけびっくりしたか。
とても不憫で。
佳子さんがいない間も、本当に良い子でね、困らせたりしないのよ。
あんなに健気で良い子はいないわよ。
頼むから、潤を叱らないでやってよ』
その母も、潤が小学校へ上がってすぐ、病気で亡くなった。
最期まで、潤を気遣いながら。
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