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Act1 6
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「悪魔……」
和哉が呟く。
…和哉の顔が見れない。
嫌われたくない、
恐がられたくない。
パソコンで、“悪魔”という言葉を調べたことがあった。
人間の想像する悪魔は、目がつり上がっていて、角と尻尾があって、人間に悪さをする生き物だと考えられているみたいだった。
…もしも和哉に嫌われたら?
…俺が和哉に悪さをすると思われたら?
せっかく“好き”を知ったのに、また一人ぼっちに戻ることができるんだろうか?
ぐるぐるといろんなことを考えていると、和哉が呟いた。
「……っげー…」
「え?」
「すっげー!なんかカッケー!」
はしゃいで俺の尻尾をつんつんとつついて笑う和哉にキョトンとしていると、
「悪魔ってホントにいるんだな!知らなかった」
と言われた。
「和哉、俺…」
「だから言葉とかあんまし通じなかったのかー…なるほど」
うんうんと頷いて、和哉がにかっと笑う。
俺はまた、和哉の体を強く抱きしめた。
「…えっ、と…シン?」
「和哉、無理、しなくてもいい。悪魔は、人間に悪さをする、人間はそう思ってる。だから、和哉、もし俺のこと嫌いになったら、そう言って…」
ぎゅうっ、と抱きしめると、和哉が腕を俺の背中にまわして、トントンと背中を叩いた。
「なに言ってんの、俺がシンを嫌いになることは無いよ。ちょっとびっくりはしたけど」
「でも」
「あーー、もう!人がこんなに好きって言ってんのに、それでも信じないのかよ、シンさんはー!」
「し、信じる、けど」
「ほら、また、“でも”とか“けど”とかー、シンは考えすぎなんですーー」
指先で俺の眉間をつついて和哉が口を尖らせた。
「…ま、そういうとこもめちゃくちゃ好きなんだけどな」
「……?」
ボソッと言ったから、和哉がなんて言ったのかよくわからなくて、
腕の中の小さな体を、
ただ愛しく思った。
「あっ、…や、…シン…っ」
止まらない。
熱くて、気持ちよくて、
「和哉…」
「んぅっ…、深い…っ、」
愛しい人と交わるのは、こんなに気持ちいいものなのかと思った。
「…和哉、」
和哉の顔を見ると、
ぽろぽろと涙をこぼしていた。
「和哉、泣いてる」
「……泣いてるよ、悪いかっ…」
「痛い?悲しい?」
「……どっちも、ハズレ。…うれしい、だよ」
そう言った和哉の顔が、
頭から離れずにいる。
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