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様子
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SIDE笠松
膝の怪我は結構深刻なものだった。
無理な練習はもう出来ない。
思いっきり走ることもできない。
ーー、クラブは控えた良い。
医者に言われたのはこの3つだった。
つまりはIHにも出られない、と言うこと。
悔しかった、悲しかった、何で俺が、って
何回も思った。
俺の他にも、
中村は片目が完全に失明してしまっている。
森山は利き手の指が潰れてしまっている。
早川は頭への衝撃が強すぎて、すこし記憶が曖昧になっている。
小堀は俺と同様に膝をやられてしまった。
俺より酷く、もう歩けないらしい。
そして、黄瀬。
黄瀬はまだ入院していると監督に聞いた。
一度、見舞いに行ったことがある。
その時の黄瀬の様子は凄くおかしかった。
まるで何かにとりつかれているかのように謝り続けているのだ。
医者は、芸能界の引退と、もうバスケが出来ないと言う、精神的なショックから立ち直れていないのだと言う。
「…… 黄瀬、起きてるか?」
黄瀬の事が気になり、もう一度病院に来た。
どこを見る訳でもなく、目線は空をさまよっている。
医者に聞くと、謝り続けるのは少なくなったが、あまり笑わないし、いつもぼーっとしているとのこと。
「…あ、れ。笠松、先輩……?」
どうやら俺に気づいたようだ。
「黄瀬、久しぶりだな。怪我の様子はどうだ?」
きっと黄瀬はこの間俺が来たことなんか覚えていないのだろう。
ずっと、本当にずっと謝り続けてたから。
「…笠松先輩………巻き込んでしまってごめんなさい……!黒子っちの狙いは、俺、なのに …….!!」
あぁ、黒子ってあの透明少年のことか。
「…黄瀬……お前に何があったのか、聞いても良いか?」
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