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前日1 霧崎第一高校の場合
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SIDE黒子
「原ぁ!そこはパスじゃなくてドリブルでも抜けたぞ!」
体育館に花宮さんの声が響いた。
原さんは「りょーかいりょーかいっ」と軽い感じで言いながら練習に戻った。
明日だ。
明日はIHの予選なのだ。
一回戦、霧崎と当たる高校は、誠凛高校だ。
なんでも、花宮さんと同じ、
〝無冠の五将〟の『鉄心の木吉鉄平』が居るらしい。
「誠凛はイイコチャンばっかだ。
木吉は去年の試合で膝を潰したけど、今年また戻ってきてるらしい。
特に今年入った〝火神大我〟って一年はアメリカ仕込みで、かなりやり手の選手だ。」
苦虫を潰したような顔でそう言う花宮さん。
一度だけ誠凛の試合を見たが、なるほど、チームプレーを主体としたチームだ。
花宮さんが気に入らないのも分かる。
見ていてわかるのだ。
本当に誠凛はイイコチャンばかりだと。
そりゃ僕たちもチームプレーはするが、僕たちは勝つための趣旨が違う。
誠凛は優勝したくて、日本一になりたくて、必死に練習して勝ち進んでいるのだろう。
でも僕たちは違う。
必死に練習しているのは同じだが、
花宮さん達はラフプレーで人を壊すことを楽しんでいる、
そして僕と高尾くんはキセキの世代に復讐することを考えて練習している。
まさに善と悪。
僕たちと正反対のチームなのだ誠凛は。
「…イライラしますね…」
ボソッと呟いたつもりだったが意外にも聞こえていたらしい。
「まーまー!黒子!そんなイライラすんなって!なー?」
高尾くんはニコニコしながら僕をなだめてきた。
「こいつら潰さなきゃ真ちゃんとも当たれねぇし!いつかは当たる壁だったんだよ誠凛はさぁ。それに
俺もイライラしてんだよ、結構。」
熱血うぜぇ、と吐き捨てるように言った高尾くんの顔は嫌悪感丸出しだった。
でもすぐに
「まぁさ、大体のスカウティングは終わったし、そろそろ練習に戻ろっか。」
笑顔で言った。
でも目がやっぱり笑ってなくて恐かったです、はい。
とにかく全ては明日。
明日の試合に勝てば次は緑間くんの所の高校と当たる。
楽しみです、ものすごく。
明日の木吉鉄平さんや、火神大我はどうやって壊れてくれるんでしょうか。
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