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あの胸騒ぎはなんだったんだ?
高校ん時のダチと京都へ行く前の、あの、ゆう…ゆう表情、声、全てが可笑しかった。
具合悪いのかな?
最近くそ寒くなってきたから風邪?か?
それとも仕事熱心のあいつの事だ、オーバーワークかなんかかもしんない。
「入江くーん、悩み事?」
俺の隣にぽつんと座り込んで、顔を覗いてきたのは、高校の時はあまり絡んだ事がない佐藤さん。
実は…
いや、浮気じゃないが、何度か二人で出掛けたり…した。
「あー、悩み事っていうか、まあ、堀川が風邪引いたまま置いてきたから…」
「心配なんだね」
「心配…っていうか、あいつ仕事馬鹿だから熱出てても会社に行ってそうで…」
「メールしておけば?」
「…ああ」
一応メールとかしたほうが良さそうだな。
俺の言うことなら聞くと思うし…
そして、スマホを取り出し、メッセージを開いて…ゆうの名前を探してたら…
「あれ」
軽くスクロールしても名前が出てこなかった。
そんなにメール、してなかったか?
ずっとスクロールしていたらやっとゆうの名前が出て、タップをしたら、そこには最後のメッセージが3ヶ月前に届いたやつだった。
は?3ヶ月もメールしてなかったのか?
その瞬間、また胸騒ぎがした。
なん、なんだ…
さっきから…
素早く「風邪なら仕事休め」それだけ打ち、送信した。
「あー!!佐藤と入江が二人きりでいるぞ!!入江いやらしいぞ!」
「うるせー」
「飯食うぞー、置いてくぞ」
「今行く……佐藤も、一緒に行こう」
「うん」
無意識に、佐藤の手を取り、繋いで歩いて行った。
浮気じゃない、でも俺らは、俺と佐藤はこういう関係だ。
浮気じゃないのは、ゆうに対して罪悪感を覚えないからだ。
たまには、女と楽しみたい。
ゆうにはわからないだろうな、この気持ち。
でも、あいつも、気にしないだろう。
8年も一緒にいたんだ、そろそろ飽きる頃だろう。
この時の俺は、そう、大事な事になに一つ気付けなかった。
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