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結構高級な旅館に泊まってるから、用意された料理も豪華だった。
やっぱり、こんな日だからみんな目一杯呑んで、騒いでいる。
俺は、マイペースの方が楽しいと思う。
あー、ゆうがいたらあいつも絶対ハメ外して呑みまくるだろうな。
あいつって何故かいつも桐島と張り合うし…
ザル桐島と酒の飲み比べして、潰れた時とか、笑えたな。
そういえば、あいつ大丈夫だろうな。帰ってきて倒れてたりしてたらすげえ面倒なんだが…
「ほりかわぁ…俺の癒しはどこにいるんだー」
「おいおい、お前マジで堀川狙ってんの!?ホモなの!?」
「桐島!お前にはわからないのか??堀川の綺麗な全てを!!」
「ねー、誰かこいつ黙らせて…」
ゆうの事を考えてたら急に「堀川、堀川」騒ぎ出した奴が現れた。
田中か…あいつマジでホモだったのか?
確かにゆうは…その、綺麗だけど…そこまでゆうにハマるもんか?
俺にはむしろ今のゆうは普通の一般人にしか見えないレベルなんだけど。
「そういえば、今日ってゆうの誕生日じゃん」
そう呟いたのは……ゆうの従兄弟の一条だった。
「入江はゆうとなんかしたの?昨日とか」
「えっ……ああ……まあ…」
は?
誕生日?
慌ててスマホを手にしてカレンダーを見たらそこにはちゃんと
『ゆう誕生日』
と出てあった。
完全に忘れてた。
おめでとうの一言も言えずに…来ちまったよな。
流石にヤバいか?
でもあいつももうガキじゃねーんだ。
誕生日ごときに拗ねたり…しないよな。
ツーっと、寒いはずなのに身体中から嫌な汗が吹き出て、酒が回って暑いはずの体が一気に冷えていった。
「堀川くんの誕生日祝ったの?なんか可愛いね、イケメン二人が同居してて、誕生日とか祝うの可愛いよね!!」
「いいなー、私も入江くんに祝ってもらいたいなー」
「堀川ぁぁ、俺の愛をプレゼントするから今度デートしてくれぇぇ」
「田中ー、うるせーぞ」
周りがくっそうるせえのに俺の耳には入ってこなくて、頭ん中には…帰ったらゆうになんて言おうか…それとも今すぐ電話した方がいいのか…
そればかりで他になにも考えられなかった。
「入江、トイレ行こう」
「は?」
そんな俺に声を掛けたのは望月だった。
「拓海!?俺を置いて入江とトイレに!?」
「駿、黙れ。入江とボーイズトークだ」
「なんだと!?」
「ほら、早く」
「あ、おう」
望月は、クラスの王子様と呼ばれてたが、一条駿と付き合うようになって、自分がホモな事も公開した奴だ。
でも、こいつは他の奴と違って、なんだろう、なんでも知ってるような態度をするから腹たつけど、多分こいつには全部バレてるんだと思う。
「堀川にメールした?」
「やっぱ知ってるんだ」
「まあ、天才の俺にはなんでもお見通しだ」
「はっ、言ってろ」
着いた場所は、トイレじゃなくて、ロビーだった。そこには人があまりいなくて、静かな場所だった。
「俺、お土産見てるからメールか電話かけてやんなよ」
ありがた迷惑ってこういう事かもしんないが、今の俺には、多分ありがたみの方が多いかもしれない。
だが、もう23時を切った頃だ…
今更すぎねえか?
ゆうも…期待なんかしてないんじゃないか?
誕生日祝ってくれなかったから怒るような奴じゃないし…
もしそうだとしても、だったら今朝、俺が行く前に、なんか、なんか一言でもいいから言っていたと思う。
プレゼント……用意して帰ったら…謝ってから渡そうか。
俺も俺だ…ゆうと一緒にいるのは退屈だけど、やっぱり恋人の事は、気になるんだな。
『ゆう、お誕生日おめでとう。
遅れてごめんな、帰ったら二人でどこかに行こう。
まだ起きてるならもう遅いから寝ろ。体冷やすなよ』
これで…充分だろう。
正直俺からデート誘って…面倒くさいけど、一応おめでとうは言えたから満足した。
「望月ー、戻るぞ」
「おーう。何々、姫さん拗ねてた?」
「拗ねてねえよ。ガキじゃあるまいし。つか姫さんやめろ。あいつは男だ」
「そうだな。でも堀川は男のくせに他の男に好かれる。お前も大変だなー」
「バレてんのかよ」
「あははー」
今まで秘密にしてた、俺とゆうの関係がこいつだけには隠しきれなくて、
でも、初めて、俺達の関係が他人に認められたから…これからは少しでも周りにいいふらしてもいいかな…そう思えた。
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