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好きなんだけど
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世界が俺の味方になってくんない。
31日、ゆうの実家に行きゆうを連れ戻そうとしてたのに、実家から電話が入り…
父親が亡くなったという知らせを受けた。
世界が敵になるってこういう事なのかな?
急いで実家へ帰り、ゆうの事は、後回しにした。
こんな、なんで俺はこんな目にあってるんだかわからない。
バチが当たったのか?
それほど俺がした事は…悪い事なのか?
お袋の泣き顔、妹と弟の無理した笑顔。
久しぶりに見た父親は、息もしてない、心臓が動いてない…
そんな姿。
ゆうが居なくなって、散々後悔してんのに、
父親まで死んで…
家族が泣いて、
俺はいつも何もできなくて…
そんなに、俺は悪い事をしたのか…?
父親が死んだのは、俺のせいじゃないってわかってんのに、俺がゆうにひどい事をしたから代わりに父親が天罰を食らったようにしか俺には見えない。
「智也、疲れてるでしょ?休んできていいわよ」
こんな俺に、優しくしてるのはもう家族しかいない。
友達も、ゆうも、神様でさえも、俺の味方をしてくれないんだ。
誰も俺をわかってくれない。
悪いのは俺だ。
でも、俺の話を聞いてくれてもいいだろう。
理由もなく、ゆうを放置したんじゃない。
俺にも、それなりの理由はあるんだ。
なのに、いつもいつも、
『全部君のせいなんだよ』
そも言葉が頭の中で無限再生している。
正月、俺は少し家から抜けて、ゆうの実家まで車を走らた。
着いたら、誰もいなくて…
そういえば午前中は初詣に行ってるんだと思い出した。
戻ってくるまで、車の中で待ってたら、
ゆうの姉の旦那さんの車が家の前に止まったのを見た。
「新年あけましておめでとうございます」
先に車から降りて新年の挨拶を交わすと、車から降りてきたゆうの姉さん、その旦那さん、息子さん、ゆうの妹とお母さんが暖かい笑顔で挨拶してくれた。
でも、そこにはゆうが居なくて、望月が嘘を付くような奴じゃないってのはわかってるけど…
ちょっと不安になった。
片道2時間を無駄にしたくない。
早く、ゆうと話し合って、そして、家に帰らないといけない。
「あの、ゆうは?」
「うーん、知り合いに会ったからどっか行くって」
知り合い?
中学ん時の知り合いか?
「あ、そういえば喫茶店に入るの見かけたよ。金髪の子と一緒に。」
そう言いだしたのはゆうの義理の兄さんで、
金髪と聞いた瞬間胸が砕けそうになった。
前に、一度だけゆうに、前の恋人の事を聞いたら
『金髪のチンピラ』
そう言ってたのを思い出した。
そりゃ世の中には金髪なんか山程居るし、俺も高校ん時金髪だった。
でも、今は悪い方しか考えられない。
「どこの、喫茶店かわかります?」
そう聞いたら、丁寧に、神社の近くのアンティークっぽいやつと教えてくれた。
紙に地図まで描いてもらって。
「有難うございます!明日、また来ます!」
「気を付けてね〜安全運転よ〜」
そして俺はおばさんから言われた安全運転を守り、その喫茶店へ向かった。
そしてすぐに後悔した。
俺に神様は着いていない。
よくわかった。
そこにはゆうと、金髪の男が、キスをしているのが、見えた。
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