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なんで…智也の名前が出てくるの?
自殺って…言った?
なんの事だ?
智也が…自殺?するわけない…じゃん……
なのに、こいつの顔は、何もかも知ってますみたいな…下品な嗤い方をしていた。
その顔に、表情に、背筋が冷やっとして、嫌な汗を流す…
心臓が潰れそうに痛くて、息も上手く吸えない。
「そんな怖がる事ないのに…ほら、大きく息を吸って?」
本当に心配してるみたいな素振りをし、俺の背中を優しく撫でる。
「ゆっくり息吐いて」
「はぁっ……」
優しいのか、酷いのか、狂ってるのかどうかわかんない奴に、正常な状態でいられるのが返って気持ち悪い。
呼吸が治ったら何をされるのか…
「入江のお母さん、自殺したんだって」
は…?
「お父さんが死んじゃったでしょ?後を追ったんじゃない?」
いい話でしょー?なんて場違いな反応に体が震える。
そんな話、初耳だ。
おばさんが、自殺?
じゃあ、智也は…?
「入江ってさ、思ったより精神弱いじゃん?死ぬんじゃない?」
そんな事…はない。
俺も、智也が見た目より弱いって事は知ってる。
でも、そう思ってるよりは強い。
そして、誰よりも家族想いなあいつが自殺するわけない。
だって、妹も弟もいるんだ。
今頃、
「俺が面倒みないと」
的な事を考えてるに決まってる。
「智也は、死なないよ」
「そうかなー?」
なのになんでこいつは余裕な顔で笑ってるんだ。
何を知ってる…
何をした…
「でもさ、俺が、ゆうきは橘さんとより戻したって言った時も、もうすでに死にそうだったから…今頃、人生諦めてると思うんだよね」
こいつは…
何を…
「でも強ち間違ってないでしょ?元彼の橘さんと一緒に住むって、そういう事なんじゃないの?」
「俺と…あの人はそんなんじゃ……」
「そんなんじゃないって、入江に伝わると思う?」
へ…
俺が…
俺のせいで…?
「ゆうきは入江に物凄く愛されてるからね…あん時の入江の顔、間抜けすぎて可愛いし面白かったよ」
智也は…俺のせいで?
「ゆうきのせいで、死んじゃうかもね」
死ぬ?
堀川side end
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