アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
さみしい。
-
午前8時半過ぎ、休日。
本来なら昨日のうちに終わるはずだったパソコン作業を自宅のリビングで進める。
「はぁ…」
パソコンを見つめて、もうかれこれ二時間が経つ。
流石に目が疲れてきた。
やはりブルーライトカットの眼鏡を買うべきか…
ギュウッ…
気分転換に煙草でも吸おうかとソファから立ち上がると背中から暖かい感触に包まれる。
「……………」
「彼方。…起きたのか?」
「ん…。」
珍しく甘えた様子の彼方。
背後から抱きついたまま背中に頭をぐりぐりしている。
(デ、デレた…やっと、やっと彼方がデレた…!!)
内心とてもバクバクで今にも踊り出しそうだったが、俺は努めて落ち着いて話し掛けた。
「なんだよ、どうした?」
「ヘルペスできた…。」
「ヘルペス?痛いのか?」
「痛い。し、痒い。」
「薬は?」
「俺の家。」
「ちょっと見せてみろ。」
振り返って屈み彼方の口許を見る。
右の口端に半透明のぶつぶつしたものがいくつか出来ていた。
結構酷いな…
「飯買ってくるついでに薬買って来てやるから、ちょっと待ってろ。」
「俺も行く。」
そう言って彼方が俺の服の袖を掴む。
クッソ可愛い…!!クッソ可愛いけど!!!
でも
「ダメ。」
「なんで。」
「疲れてるからそんなもんが出来たんだろうが、余計に疲れてどうすんだよ。」
「やだ。」
「ダメ。」
「…やだ…一緒に行く…。」
彼方は中々握った手を離そうとしない。
「…ハァ、直ぐ帰ってくるから、大人しく待ってな。」
今度は俺が彼方を抱き寄せ、金色のさらさらとした前髪をあげてキスをする。
「……3分で帰ってこい。」
「いや、それは無理。」
「10分。」
「善処します。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「じゃ、ゆっくりしてろよ?」
「分かってる…」
「行ってくるわ。」
「ん…。あの…」
「?」
何やら目を泳がせている彼方。
「さ、………いから…早く、……こい…」
「…なんて?」
「だから!さ…寂しいから、その…」
「早く帰って来い…」そう、とても小さな声で呟かれた。
・・・・・
んん”ん”ん”ん”ッッッ好きッ!!!!
「お、おう…」
「行ってらっしゃい。」
「いっ、行ってきます…」
バタン…
後ろでドアの閉まる音がなる。
俺はドアに凭れ掛かったままずるずるとしゃがみこんだ。
バクッ…バクッ…バクッ…バクッ…
あぁ…俺、
「俺、彼方に殺されるかもしれない…」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
23 / 43