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でも、好きなのっ-fjsr-
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まず始めに、フジくんとせらさんのお話です。
せらさんのはあまり見なくて需要がないのだと思われ。
呼び方とか口調とかふわふわしてるかもです。
僕はみんなから天才だなんて言われてきた。
別にそれで天狗になるなんてこともない。
本当の僕は天才なんて言葉とは無縁の人間なんだから。
絵を描くのは小さい頃から好きで上手くなりたくて努力をした。
作詞作曲も独学ではあるけど音楽を勉強した。
ドラムやパーカッションも音ゲーを昔からやってきて、その音ゲーも上手くなるまで毎日のようにゲーセンに通って練習をした。
僕は努力したら叶わないものはないって信じて努力ばかりしてきた。
ただ一つ、努力しても叶わないものがある。
それは恋愛だ。
異性との恋愛なら努力したら実るかもしれない。
僕の恋愛は少し訳が違う。
好きな相手は同性なのだから。
好きになった相手がたまたま同性だったってだけ。
でも叶わないってことだけは知ってる。
だからこの想いは心の奥底にしまいこんでおくとしよう。
「みーかーるー?」
「急に現れたらびっくりするじゃん」
「さっきから呼んでるのに何か考え込んでるみたいだったから」
僕が絶賛片想い中の彼、フジくん。
「あ、そうだったの、ごめんね」
「ところで何考えてたの?」
「別に何も」
フジくんの事を考えてた、なんて口が裂けても言えない。
「……もしかして好きな人のことでも考えてたりして?」
「ばっ?!そんなわけないじゃん!」
フジくんって無駄に勘がいいよね。
ドキってするよ。
「じゃあさ、俺の好きな人の話、してもいい?」
フジくんの好きな人の話…聴きたくないけど、フジくんがどんな人が好きなのか気になる。
「俺の好きな人はね」
フジくんは僕が返事する前に話し始めた。
「可愛くて優しくて天才で、でもその天才の裏にはたくさんの努力をしていてすごく頑張り屋さんな子なんだよね」
その子になりたい。
そしたら僕もフジくんに愛されるのかな。
「えっ…なんでみかる泣いてんの?」
「泣いてなんかっ…」
目尻の方を触ると少し濡れているのが分かる。
僕のことを愛してほしい。
その愛を僕にちょうだい。
でもそんなこと望んじゃいけないって分かってる、けど。
「でも、好きなのっ」
え、僕今なんて?
『好き』って言っちゃった?
頭の中で考える暇もなく、ふんわりとフジくんの匂いに包まれる。
程なくしてフジくんに抱き締められていると理解した。
「やっと言ってくれたね、みかる」
「ぁ、え、ごめん!今のは忘れて!」
「忘れられるわけないじゃん。俺もみかるのこと好きなんだから」
フジくんが僕のことを好き…?
「ほんと…?」
「その証拠に…」
フジくんの顔が近づいてきて唇が触れる。
「みかる、顔真っ赤」
フジくんは笑いながら言う。
「フジくんのばーか!」
「そんなこと言わないでよ」
フジくんに頭を撫でられてまた顔が赤くなる。
「フジくん、ずっと一緒にいてね?」
「あったりまえだろー?」
叶うはずがないと思っていた恋がやっと叶った。
この恋が終わらないように大切にしていこう。
2016.3.27
でも、好きなのっ-fjsr-【完】
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