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本音-kyrt-
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レトさんは滅多に…いや、全く好きと言ってくれない。
告白したのも俺からだし、その時も好きって言ってもらえなかった。
その後も言ってもらえるように努力はしたけど、顔を真っ赤にするだけで言ってもらえなかった。
4月2日の今日、今日こそは言ってもらう。
「レートさん」
「何、キヨくん」
「俺のこと好き?」
「…………………」
いつもこうだ。
好きかどうか問うと何も喋らなくなる。
「レトさんは俺のこと嫌いなの?嫌いならどうして俺とつきあってくれてるの?ただのレトさんの同情だったの?」
「違う。キヨくんのことが嫌いなわけやない」
「じゃあなんで…なんで好きって言ってくれないんだよ!」
俺はつい声を荒らげてしまった。
「……恥ずかしいから、に決まってるやん」
レトさんは小さい声で言う。
「恥ずかしい?」
レトさんはコクンと頷く。
なんだ、そっかそっか。
恥ずかしいだけなのか。
嫌われてなくてよかった。
「恥ずかしくてもちゃんと好きって言ってくれないとなんにも伝わんないよ?」
「………す、好き」
レトさんは顔を真っ赤にして俺がずっと待ち望んていた言葉を口にした。
「俺もレトさんのこと好きだよ」
「キヨくんの馬鹿」
「これからはもっと素直になってね」
「……気が向いたらね」
きっとこれからレトさんがもっと素直になることを願おう。
2016.4.2
本音-kyrt-【完】
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