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記憶-牛狐-
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目を覚ますと隣には牛沢が幸せそうに寝ている。
昨日何があったのか、何も覚えていない。
牛沢とたまたま会って適当な居酒屋に入ってまだ飲み足りなくて牛沢の家で飲んだところまでは覚えいるけどその後がどうやっても思い出せない。
私がこんな記憶がなくなるまで飲むなんてな。
というかなんで私は牛沢と恋人つなぎのように手を繋いで寝ていたのか。
なにも思い出せない。
「んぁ?とわぽん起きた?」
「あの、私は昨日どうしたんでしたっけ?」
「覚えてないの?」
その問に私は頷く。
「昨日のとわぽん、すごく可愛かったよ。俺の下で女子みたいにあんあん啼いて、俺の名前ばかり呼んでさ」
牛沢はニヤニヤしながら話す。
そこまで聴いて昨日何があったのか思い出した。
忘れてるなら忘れたままでよかった。
でも何故そうなったのかは分からん。
私は牛沢が好きだ。
例え酔っていたとしてもつい好きなんて言うはずがないしそんなことを言ったら引かれてしまう。
「とわぽんを襲ったのは俺からだ」
「え、牛沢から?なんで?」
「俺…とわぽんのこと好きだから」
今、目の前で起きてることが理解出来ない。
牛沢が私のことが好き?
「とわぽんは?どうなの?」
「私は牛沢のことは別に」
「嘘だ。昨日の夜、好きって言ってくれた」
やってしまった。
完全なる過ちだ。
「俺のこと、嫌い…なのか?」
牛沢が悲しそうな顔で聴いてくる。
「嫌いなわけないやろ」
「じゃあなに?」
この意地の悪い性格は牛沢らしい。
「………好きです」
「やっと言ってくれたね、とわこ」
牛沢に抱き締められる。
牛沢の温もりに安心をする。
ずっと待ち望んでいた。
「ずっと一緒にいてください」
「当たり前だ」
2016.4.10
記憶-牛狐-【完】
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