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赤司side
俺は、テツヤと付き合った5年前から隠してたことがあった
俺は¨お前¨じゃなく、¨千尋¨が好きということ
お前の気持ちを利用して、´好きだ´と告白し、千尋とお前を重ね合わせてたこと
千尋が好きなのに、何でテツヤと付き合ったのか
それはテツヤと付き合う前、千尋の高校の卒業式の日、俺は千尋に告白をした
「千尋、俺はお前が好きだ」
「赤司、わりぃ……
俺、好きな人がいるんだ」
「……誰が好きなんですか?」
その時嫌な予感がした
「きゅう……
誠凛の黒子テツヤ」
「……!」
俺は驚いて声が出なかった
そんな俺を見て千尋は
「だから、ごめんな……」
そう一言を残し、俺と学校から立ち去り、黒子のいる東京の大学へと進学した
俺はテツヤに負けたことに苛立ちを覚える
負けたくない負けたくない負けたくない負けたくない負けたくない負けたくない負けたくない負けたくない負けたくない負けたくない負けたくない負けたくない負けたくない負けたくない負けたくない負けたくない負けたくない負けたくない負けたくない
千尋をテツヤに渡したくないの一心で、すべてに必死だった
千尋を手に入れたくて……
以前から俺に行為を寄せてたテツヤに1ヶ月後、告白をし、付き合うことになった
これで、千尋がテツヤに告白をすることもない
安心だ
きっとこの事実を知ったら、千尋は俺の元へ来て泣いてくると思う
もちろん、俺がテツヤと付き合っているということを隠して……
そして、俺が千尋の弱ってるところに入り込み、千尋を手に入れることが出来る
俺のシナリオは完璧だ
そう思ってた
が、突然シナリオは違うところへ進んでた
ある日の夜
俺の携帯が鳴り響き、通話ボタンを押した
「もしもし」
「俺だ、黛だ
今いいか?」
「大丈夫です、何かあったんですか?」
「何かって……
お前、黒子が好きじゃないのに何で、付き合ってるんだ?」
「え?」
「俺が告白して振られるようにわざと、その前に告白して付き合ったんだろ?
あいつの気持ちを利用して……
お前最低だな」
一方的に電話を切られ、その後、彼から連絡が来ることは無かった
俺は急いでかけ直しても、日を改めてかけ直しても彼から出ることはなく、俺達の中で亀裂が入り、二度と来ること無かった────。
最低、か……
ハハッ、馬鹿だな俺
俺の瞳から沢山の雫が溢れだし、俺の初恋は実らぬまま終わりを告げた────。
それからの俺は心ここにあらずの状態で、テツヤとはまだ付き合い続けてた
俺は、「俺がいなくてもテツヤは大丈夫だろうね」とその日を境に口癖のように何度も呟いた
はっきりいって、俺はお前と別れたかった
千尋を手に入れるためにテツヤを利用したのに、手に入れられないぐらいならお前を何度も捨てたいと思ってた
けど、それと同時にお前を手放したくなかった
千尋に渡したくなかった
なんとしてでも俺の元に置いておきたかった
その一心で────
知らぬ間に二人を近づけないようにし、己の気持ちを庇い続け俺はこの5年間生きてきた
そしてテツヤとの関係も未だに続いている
そして、五年の月日が終りを告げる日がとうとうやってきた
突然、夜に鳴り響く携帯の画面を見ると相手はテツヤからだった
迷うことなく通話ボタンを押す
「テツヤ、どうした?」
「夜遅くにすみません
……君に話したいことがあるんです」
「話ってなんだい?」
俺の問に一瞬躊躇っていた
ひとつ、深呼吸をする音が聞こえた
「赤司くん、僕達別れましょ?」
「……、テツヤ
それはどういうことだい?
僕は別れる気は無い」
別れたくない
別れたら、千尋はお前を手に入れる
そんなこと俺が許さない……!
「赤司くん、僕が気づいてないとでも思っていましたか?
五年前から君はまだ、黛さんのことが好きですよね?」
「ッ――!」
見抜かれてたことに言葉にならない声が出た
「僕はずっと知ってました、君に利用されてるのも
そして、彼と重ね合わせてるのを――
君はずっと心の中で、彼と違うことに気づき、僕と別れたいって思ってたんじゃないですか?」
「初めから気づいてたのか?!」
「はい
……と言っても、すぐには気づきませんでしたけどね
ずっと、この関係を終わらしたいって思ってたんですよね?
終わりにしましょ、この関係を……
´もう、待っていなくていいんですよ´
この電話を切ったら僕達は終わります
君のことは心の底から´愛してました´……
さよなら」
俺のの返事を待たず、テツヤはすぐ終了ボタンを押し、俺達の関係は終わった────。
俺は怖かった
千尋がテツヤと付き合う日が来るということを──
恐れてた未来が俺を襲う
その日から俺は荒れるようになり、自室が出ることはなくなった
テツヤと別れて1週間が経過
勿論、連絡もしてないし、来てもない
また月日は遡り、一ヶ月が経つ
そして俺は、初めてテツヤが隣にいない寂しさを覚える
は?
なんで俺がテツヤを求めるんだ?
テツヤは千尋を引き寄せるために付き合ってた¨おもちゃ¨だ
おかしいだろ……?
俺は今でも千尋が好きだ
なのに、俺の頭にはいつしか千尋ではなくテツヤで埋まっていた
いつの間にか彼に惹かれてた
俺はずっと千尋が好きで、その気持ちを大事に守っていた
千尋を想っていないと自身が壊れそうになってた
ずっと気づかなかった
けど初めて自分を醜くしてた弱さ(しょうたい)にやっと気づいた
´テツヤが好き´ということを────。
心のどこかで彼に救われてた
でも俺は、気づかないふりをして千尋を好きでい続けた
千尋に対しての気持ちを忘れたくなかったのかもしれない
でも、今の俺は違う
¨テツヤ、お前が好きだ¨
5年間心にもないことを、何度もお前に言った
だけど、今は心の底から言える
テツヤ、たくさん傷つけてごめん……
もう傷つけない
お前をもう手放したりはしない
だから、もう一度……
俺は勢い良く、一ヶ月振りに部屋の外へ出て、テツヤのいるマンションへと向かった
そして俺はその後に気づく
お前の気持ちを見抜けなかったこと、そしてお前に触れることも叶わないことに……
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