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番外編 ヤンデレ勇者、降臨☆
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「レオン、僕達そろそろ別れよう・・・。」
ジルは俺の眼をしっかりみていた。俺はジルから眼をそらした。
「ど、どうしてなんだ?この際理由はどうでもいい。子供達はどうする気なんだ?それに俺はお前の保護観察を国から仰せつかっている。お前から離れることなんてできない。」
ジルは悲しい顔をしていた。俺は何故ジルが悲しいのかわからなかった。
「僕は・・・僕は君のペットになりたいんじゃない。僕は君の・・・」
「何を言ってるんだ?俺はずっとジルを大事な嫁として見ていた。なのになぜ?」
ジルは顔を伏せた。俺はジルのキレイな顔をみることができなかった。
「今日、僕のもとに君の婚約者を名乗る女性が現れたんだ。僕は王国には勇者の・・・君の愛玩奴隷になっていて、君は来年の春にはその婚約者と結婚すると聞いた。僕はそんな人とは一緒にいたくない。」
そうか、そういうことか。大方、親父の差し金だろう。
「なら、俺がただのレオンにでもなればいいのか?そうすればずっと家族でいられる。」
ジルは首を静かに振った。
「違う、違うんだよ、レオン。僕は・・・」
俺はジルの態度にカッとなって怒鳴った。
「何が違うんだっ!?俺はお前の傍にいる‼それができないなら死ぬ覚語だってある。王族が俺たち家族をバラバラにするのなら俺は王族じゃなくていい。」
何故、受け入れない?何故、拒む?ずっと一緒にいたいと思っていたのは俺だけか?
・・・それとも、浮気をしていてそいつに本気になったとでも言うのか?
だからジルは俺と別れたいのか・・・なら、もういい。
「わかった、俺たち別れよう。」
俺はそう言って、ジルの眼を覆った。するとたちまちジルは眠りについた。俺は自室へと戻り、ジルをベッドへと横たえると、ルイをゆすり起こした。
ルイは眠そうに眼をこすりながら『何~?』と聞いてきた。
「ルイ、お引越しをしよう。」
「お引越し?どこに?」
俺はルイを窓際に連れて行き、窓から見える城を指さした。
「あのお城みえるか?」
「うん、ママが人間界で一番偉い人とその家族が暮らす場所で人間界の中心だってきいたよ。」
ジルはそんな風に城のことを教えていたのか。少し語弊があるがまあいいだろう。
「そうだ、今から皆でそこに引っ越すぞ。ルイは赤ちゃんを抱っこしてくれるか?」
「うん、荷物は?」
ルイは急で驚いたのか、荷物の心配をしていた。
「荷物はあとで全部運ぶから大丈夫。ルイ、お城で暮らしたいか?家族で暮らしたいか?」
「パパとママと赤ちゃんと一緒に暮らしたい。」
俺はルイの頭を撫でた。そして、急いで、馬車を呼んだ。
ジルを抱きかかえ、ルイと赤ちゃんを連れて、学園を後にした。
「ん、ここは・・・?」
僕は眼が覚めるとベットに繋がれていた。ルイも赤ちゃんも見当たらなかった。
場所から見るに地下牢かどこかだろう。
「眼が覚めたか?」
ドアが開き、そこには制服ではなく王族らしい騎士のような恰好をしたレオンがいた。
「どういうこと?」
「悪い、結婚話はなくならなかった。でも家族皆で暮らせるようにはできた。」
レオンはニッコリ笑って僕に近づき、頬を撫でた。
「僕は愛人にも愛玩奴隷になるつもりはない。」
僕は顔をそむけると、凄い力でレオンの顔をみるようにさせられた。
「形式上はそうだが、お前以外に妻はいないし、子供もいらない。が、あの女のところには適当に通ってあとはお前と子供たちのところにいる。お前がそれでもいいと言えば、ルイ達にも会わせてやる。」
・・・それはつまり脅しではないか。
「嫌だと言ったら?」
「今すぐお前の足を切り落とす。足がなければ逃げられないからな。」
僕は悲しくなった。大好きな人の幸せを願ったのにこんな形を迎えてしまったことにも、大好きな人にこんなことをいわせてしまったことにも悲しくなった。
「ジル、お前は俺から逃げられないし、離れられない。・・・アイシテル。」
レオンはそう言って、僕に深い口づけをしてきた。
僕は黙って受け入れていた。
水が一筋、僕とレオンの眼からこぼれていた・・・
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