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分裂兄弟、強しっ☆
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はぁ~、イリア・クロア・アクアの三人は見事な悪戯っ子だった。
「分裂したにも関わらず、魔力が強いというかなんというか、眼を離すとイリアはバカでかい魔界の生物を召喚しているし、クロアはベビーベッドを形質変換して、剣やらなんらの武器を精製してるし、アクアはアクアでそこらじゅうにいる精霊と遊んでるし・・・はぁ、どうすればいいだろう?」
僕がそうやってうなだれているとグレンが苦笑いして、ハーブティーをのんでいた。
「いや、そんな簡単な風に言ってますけど、三人がやっている、『魔獣召喚』・『形質変性・武器精製』・『精霊召喚』も全部高等魔術ですからね?この学園でもできる人あまりいませんからね?
この国で言えば、登録者数は52人しかいませんからね?全部できる人なんてこの世界にいませんからね?」
グレンは机をどんどんとたたいて興奮していた。
「まあまあ、落ち着いて。お腹に響くよ?確かに僕は『魔獣召喚』・『武器精製』はできるけど物質そのものを変性できないし、『精霊召喚』なんてもっての他だよ。」
考えただけでもおぞましい・・・精霊なんて光のものばかりで僕との相性が悪い。
確かに、考えてみるとあの子達の実力はもうトップランクの魔術師だろう。だが、その分制御が聞かない。ルイは光と闇の力が強い分、炎や水、木、土といった自然系統の魔術を苦手にしている。その分、物理法則を無視した魔法が厄介だけど・・・。
「イリアは闇と炎が得意なのはわかったんだけど、アクアは光と水が得意なのはわかったから僕とレオンでも対処できるんだけど・・・。クロアはちょっと違うんだよね?」
「違うって?」
「あのさ、僕も武器は精製できるんだけど、僕は魔力を使って、鉄を作り出しているようなもので、そこから空気と無理やり結合させ、その熱によって、武器の形を想像して作っているんだ。いわば、空間そのものが鍛冶場みたいなものなんだ。だから無から物質を作りだすようなものだから魔力をすごく使う。だから僕の魔力を半分使うと一日50本しか作れない。武器精製の魔術師なら一日数本が限界だと思う。
だけど、クロアは物質を変化させ、その特性に沿ったものを作っていて、魔力の消費が少ないんだ。だからあの歳でもう一日に1000本以上は作れる。」
僕が説明すると、グレンは専門外だからなのか、ポカーンとした顔をしていた。
「つまり、砂糖1mgで直径5cmのクッキーが10枚作れるようなものだな。」
レオンはぬっと僕の後ろから現れ、机の上にあったクッキーをかじった。どこからわいたんだろう・・・。一瞬、カサカサと毎日隠密行動をするG様を想像した。
「今、俺のことゴキブリみたいだなとか考えただろう?」
僕は飲んでいた紅茶を吹きそうになったが、こらえた。
グレンとレオンが僕をジロッとうろんげに見てきたが、知らない。
「あ、噂をすれば・・・。」
ビュンッ
「うわっ、危なっ‼」
グレンのほうに大きな木製の大剣が飛んできた。
「泣くとさ、かなりの速さで飛ぶんだよね?これ空間魔法?そしたら、ルイと同じ系統かな」
「いや、これは空間よりもその物質のベクトルを変化させたのが正しいんじゃないのか?
いわば・・・ベクトル変換?」
「いずれ、超電磁砲とかうてそうだね?」
「それか、白髪になるかもな。」
「いや、ラノベネタで盛り上がらないでっ?これ危険だから‼」
グレンは必死に避けながら、ツッコミをした。さながら大芸道のようだった。さすがにお腹の子に響くだろうから、僕は飛んでくる剣を消し炭にしていった。
「あ」
「「どうしたの、レオン(兄さん)?」」
「理事長、無系統魔法の使い手じゃん。」
「ああ、そっか。」
グレンとレオンは納得したとばかりに手をポンとたたいた。
「なんで、理事長がここで出てくるの?」
「「あ・・・」」
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