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魔王の父は焦るっ☆彡
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理事長は嫌な汗をかきつつ、ゲスイ顔で僕らに言い訳をしていた。
要約するとこうだ、『お義父さん(前の前の魔王)が認めてくれなかった挙句、自分を人間界に送りかえし、魔界に行けなくなったから。』
「「超、最低~。」」
僕と父さんは声をそろえていた。
「いや、だって、アルと結婚できないからと思って、なら、もういいやと思ったし・・・。それに流されて、つい・・・」
理事長が言いつのっていると、父さんがプルプルと震えだした。
「ふざけるなっ!我がどれだけ待っていたと思って・・・。どれだけ・・・。いや、もういい。お前と我はもう他人なのだ。ジルロード、お前の父はもういない。忘れろ、これからもこの男は理事長だ。あと、子供と旦那を連れて一度帰省しろ。皆に発表せねばなるまい。」
父さんはそう言って、柔らかく微笑んだ。理事長はポオッと父さんに見とれていたが、鏡から父さんがいなくなると、深くうなだれた。
「どうしよう・・・。また、アルに会えなくなる。やっと、連絡とれるようになったのに、なんで、捨てないでよ。俺と一緒にいてよ。俺にも笑かけてよ。」
僕はそれを聞いて理事長は本気で父さんのことが好きなんだなと思った。
僕は今度帰省するときに一緒に連れて行ってやろうかとも考えた。
「あの、理事長。父さんのこと好きですか?」
「あたりまえだよ。だてに1000年も想ってないよ。」
せ、1000年?理事長、いま何歳だよ、いや待てよ、僕が今798歳だから父さんは僕を202歳のころに産んだことになるな。
そう考えると、かなり、若いときに産んだことになる・・・。
「奥さんも長生きですね。」
「いや、死んだよ。妻も子供も。妻は王族の生まれで、子供はそのあとを継いで、で、いまはレオン君が僕の遠い孫になるのかな?だから、クロアは無系統魔法が使えるんじゃないのかな?」
なるほど・・・。レオンはこのことを知っていたのだろうか?だからあんなことを言っていたのかと今更ながらに納得した。
「理事長、今度帰省するときに一緒に来ませんか?それにルイにもあの子たちにもあなたをおじいちゃんだと紹介させて下さい。」
僕がそういうと理事長はパッと顔をあげて、「俺がおじいちゃん・・・。」とつぶやいた。
「俺が父親でもいいのか、ジル?アルは認めてな・・・。」
「だから、父さんを認めさせてください。紹介もそのあとです。まず先に父さんを説得してください。力でねじ伏せれば、魔族は従わなければならない。だから、お願いします。」
理事長は嬉しそうに遠いところを見つめていた。
僕はこの人達はなんて不器用でしっかりとした愛を持っているのだろうと思えた。
僕もレオンと1000年も想い、添い遂げられたらいいのに・・・。
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