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喪失
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俺があまりにジョンソン、ジョンソンとうるさいので、そういう仲だったのか!とか、仲間として是非調査に協力したい!とか、公私混同するな!とか
色々と周囲が騒がしくなって、説明にも、応対にも正直ウンザリしてきた頃。
オハラ少尉のツテで、1つ有力な情報がもたらされた。
ジョンソンは珍しい型の感染症を発症してしまい、国立大学附属病院で、闘病中だという。
オレは勇んで見舞いに駆け付けた。
しかし。
そこでも、俺はジョンソンに会えなかった。
「実は先日、亡くなられました。」
「一足、遅かったか。」
落ち込む俺を見て、その看護師がコッソリ言った。
「というのは、建前で。本当は生きてらっしゃいますよ。以前とは、違う姿になっているようですが。」
―以前とは違う姿?
「どうしますか。会いますか?」
「会えるのか?」
「たぶん、貴方が逢いたいと思いさえすれば。今日にでも。」
「ふざけるな!!」
あれからどれだけ、俺があいつを捜し回ったと思ってる!?
「失礼します。」
看護師は、頭を下げるとそのまま去ろうとした。
「待ってくれ。せめて、この花を…。」
「分かりました。」
持ってきた小さなブーケを手渡し、俺は病室を出た。
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