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混乱
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「オカしい。何故だ!?…どうして?」
さっきとは打って変わった険しい目付きで、ジョンソンが呟いた。
かなり感情的になってるらしい。チカチカと照明が明滅する。
「なんだ?何かトラブルか?」
眠気覚ましのコーヒーを啜りながら、俺はジョンソンの傍へ行った。
「良い香リガしますね。久し振りにカギました。いつも朝…。いえ、何でもありマs」
ブツリと、聴き心地のよい声が途切れた。
「マーク?おい、どうした!?」
ジョンソンが動かない。
周りの機器も全て止まったままだ。
―何が起きてる?
それとなく辺りに目を配り、耳を澄ます。
(うしろかっ!?)
本能的に、右へ跳んだ。
ビシュン!!
今まで居た場所が黒焦げになった。
[お見事!よく気が付いたな。]
「お前は、あの時の!?」
ジョンソンの左側から、光る物体がヌルリと抜け出て来た。
[お陰様で、ゆっくり回復出来たよ。有り難う、ダニエル。]
ヒトガタになったソレは、ジョンソンと瓜二つの顔で、ニヤリと笑った。
―回復、だと?
俺は愕然とした。
まさか。
ジョンソンの体内深くに残ったのは、コイツの一部ではなく、核そのものだったのかっ!!
「この野郎!最初からそのつもりだったんだな!?…マークを騙しやがってっ!!」
怒りに震える俺を見て、ソイツは鼻で笑った。
[騙す?一体、なんのことやら。そもそも私とマークの合体は合意の上のことだ。それに私は、他の隊員2名との約束も果たしてやった。この次元への帰還。家族との再会。まぁ、あの状態では、本人の意識はほぼ無かったに等しいがね。]
「人でなしのクソ野郎がっ!!」
[たしかに私はヒトではない。だが、それなりの感情も、道徳心も有している。そこで、ダニエル。キミに提案だ。この施設のとある機能を使って、私を元の次元へ帰して貰えないだろうか?協力してくれるなら、マークの命は保障しよう。]
「イヤだと言ったら?」
[マークとスミスは間もなく死ぬ。その責任は全て、キミ1人にのしかかるだろうな。ああ、解っているだろうが、今、この施設で動ける人間は、ダニエル、キミだけだ。無駄な足掻きは感心しないね。]
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