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にじゅう。
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*
「……兎代。」
俺を見た楓は、表情を悲しく歪ませながら、俺を勢いよく抱きしめた。
「はっ!?ちょっ……!?」
「……この前は俺が悪かった。
頭に血がのぼって、お前に酷いことした。
……本当にごめん。」
「か、楓!?」
掠れた声で、楓はひたすら謝る。
生まれて初めて見た。
楓が弱っているところ。
いつもは自信たっぷりで俺にちょっかい出してきたのに、今はそれが全然ない。
どうやら彼は本当に反省しているようだ。
「だから、俺を突き放さないでくれ…。
お前のそばに居られなくなったら、俺……死ぬから。」
「し、しぬ!?」
「……あぁ、死ぬ。絶対に死ねる。」
あぁ、どうしよう。
こんなに弱った彼を見たら、もう許したくなっちゃうじゃないか。
間近に感じる彼の体温に、俺はどんどん顔が赤くなっていった。
「……だーーーー「だっ…!?駄目なのか!?」
バッと彼が顔を上げる。
子犬のように泣きそうな楓の顔。
(か、可愛い…!!)
『だぁぁぁっ!もうっ…!しょうがねぇな、許してやるよ!』と叫ぶつもりが、変な方向に勘違いされたようだ。
やだやだと首を横に振って、俺の抱きしめる力を強くする。
(あぁ…、俺スマホ持ってくればよかった。)
今めっちゃ、録画したい。
だってこんな可愛い楓、もう二度と見れないと思うから。
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