アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
あ、た、だいま 智也サイド
-
扉を開けようとすると、扉がひとりでに開いた。
と思ったら丁度僕が入ろうとした時に、王子様が扉を開けたようだ。
まさか、王子様が態々俺のために出迎えてくださった!?
いや、まさか……。王子様が自ら僕を出迎えてくれるなんて、そんなこと……。
まさかね。そこまで僕もおめでたい人じゃないよ。
分かってる、僕が部屋に入ろうと扉を開けようとした時に、王子様が部屋を出ようとしたんだ。
だから、王子様が僕を出迎えたようになっているだけだ。
うんうん、そうだ。そうに決まってる。
そう思いながらも僕は緊張していた。
「あ、た、だいま」
何とか声を絞り出して、王子様にただいまの挨拶をした。
やった。これも同室者である僕だけの特権だよね。
「ああ」
王子様もいきなり僕が現れるとは思っていなかったのか。
ほんの少し驚いている様子だった。
「もしかして、どこかに行こうとしてた?」
もしもどこかに行くなら僕もついて行っていいかな?
それとも、プライベートはあまり見せたくないかな?
「いや」
王子様は何か考え込んだ。
あれ?行く場所を聞いただけなのに。
「暇か?」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
30 / 52