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プロローグ
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オレは、夢を見ていた……小さい頃の夢だ。
『先生……ウチの子は……』
そこは病院の診察室で、お母さんが心配そうな顔をして、白衣を着た先生に話しかけていた。
『羽鳥さん……とてもお伝え辛いのですが……検査の結果、息子さんはとても稀な体質の持ち主でした。』
『ま、稀な……体質?』
『はい。この事例は、世界的にも数えられる件数しか報告されていません。また、この体質は日本では二人目になります。』
『そ、そんな……う、うちの子は治るんですよね!』
『羽鳥さん……息子さんは病気ではありません。命の危険があるものでもありません。……ですが、普通の男性としての生き方が難しいと思われます。』
お母さんと先生は、とても辛そうに話していて、お母さんは途中から泣き出してしまっていた。
その後は、よく覚えてない。
でも、これは本当にあったことだ……それから……それから……
(((ピピピピピピピッ!!!!
夢を見ていたオレは、煩く鳴る目覚まし時計の音で目を覚ました。
「う"ぅ〜……眠い……嫌な夢見た……な」
朝の弱いオレは、どうにか起き上がって、その足で洗面台へ向かった。
水で顔を洗い、歯磨きして、寝癖を直し、寝巻きから学ランに着替えた。
もう春も終わりだけど、最近は日中で寒いから、念の為に薄地のパーカーを中に着てから、学ランを着る。
着替えが終わる頃には、もう既に6時半を回っていた。
「ヤバっ!?。斗真、斗真!!!起きて!、起きろ!!遅刻するよ!!」
オレはもう一つあるベッドに向かい、シーツに包まっているルームメイトの景吾を起こし始めた。
「ン"〜……あと……30分……」
「長いわ!!!あと、古典的な寝言言ってんなーーー!!(怒)」
面白いぐらい典型的な寝言だったけど、今のオレには笑っている時間が無くて、斗真のシーツを引き剥がした。
そこにはシーツを取られて、少し寒そうに体を丸めている大谷 斗真(おおたに とうま)の姿があったけど、まだ起きようともしていない。
「とっとと、起きろーーー!!!(怒)
嫌な夢を見ていたオレだったけど、こうしていつも通りの朝を向けている。
実際に会ったあの日から、もう10年も経ち、オレは今高校一年生になっていた。
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