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企画
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「クリスマスパーティー?」
僕、篠宮時雨の言葉に日月くんは頷いた。
「毎年恒例の行事なんだ……」
「へぇ、クリスマスパーティーねぇ。
楽しそう」
「でね、クリスマスパーティーって、毎年やることが違うんだって。
去年は生徒会がめんどくさがってただのダンスパーティーになったんだけど。
一昨年はコスプレしてクイズ大会したらしいよ」
「へぇ、コスプレかぁ」
コスプレってさ、楽しいよね。
僕は断然サンタだね。
赤くていいじゃんw
赤大好き(はーと)
「今年は何にするの?」
「それがね、全然決まってなくて……
どうしよう」
「そうなの?」
「書記様は来たり来なかったりだし、ルイもなんだか忙しそうだし。
僕らでなんとか企画書作りたいんだけど」
「じゃあ作ろうよ」
「でも、そう簡単なことじゃ……」
そうかな。
なにやりたいか考えて企画書書けばいいだけじゃないの?
「まぁ、でもやってみようよ。
なんとかなるよ」
「そうかな。
うん、そうだね、なんか時雨くんが言うと何とかなりそうな気がする」
にっこりと微笑む日月くん。
うん、可愛い。
平凡とか言うけどさ、整った平凡だよね。
うん、わかんないかな。
あれよ、中の上。
いや、なんか違うか。
とにかく、可愛いんだよ。
守ってあげたくなる感じ。
一人でうんうん頭を悩ませている僕を、日月くんは心配そうに見てきた。
やだ、恥ずかしいじゃんw
さて、本気でクリスマスパーティーのこと考えようかな、と思っていると、生徒会室の扉が開いた。
「しぃぐれぇー!」
「げっ、兄さん……」
「時雨の愛しのお兄ちゃんだよ!」
「っるさいし、ウザイw」
「ほら、そんなこと言わないで、見て見て、時雨に似合うと思って買ったんだ。
ネコ耳」
「えい」
「ぎゃーー!」
僕は兄さんが取り出したネコ耳カチューシャを生徒会室の外に投げ捨てた。
僕はネコじゃありません。
「篠宮先生って、時雨くんの前だと性格変わりますね」
「バカ言え。
時雨には態度で愛情を表現してるだけであって、先輩と時雨以外にやる愛情は持ち合わせてないだけだ」
「あー、はいはい、何言ってるか全然わかんないわwww
邪魔だから今すぐ帰ってくれるかなw」
「えー、そんなこと言わないでよ。
仕事手伝うから、ね?」
「あ、じゃあ、ちょうどいいじゃん」
兄さんは今年で3年目だから、クリスマスパーティーのこともわかってると思うし。
「クリスマスパーティーのことなんだけどさ」
「あー、それ、クソめんどくさいヤツか。
でもオレ今年から生徒会顧問になったからあんまり知らないんだよ」
「使えな」
「酷いっ…………!」
うわぁ、僕の期待裏切られたし。
結局振り出しか。
使えないなぁ←
「じゃあさ、時雨、鬼ごっことかどう?」
「鬼ごっこ?
高校生にもなって?」
「それがさ、ここって金持ちばっか集まるから、そういう庶民的なことすると喜ぶんだよ」
「へぇ。
じゃあ鬼ごっこでいっか。
あ、日月くん、コスプレしたい?」
「え、僕?
いや、僕みたいな超平均男子のコスプレなんて目に毒だよ。
コスプレ服だって、僕なんかに着られるなんて望んでないと思うし」
あー、ネガティブ発動。
日月くんは顔の前で素早く手を振った。
「でも僕がやりたいからコスプレ鬼ごっこにしよう」
「じゃあさ、じゃあさ、ミニスカサンタして?!」
「黙れ変態」
「あぁぁ//// 時雨の毒舌イイっ!」
末期じゃん。
っていうかキモい。
「それよりさ、日月くん。
僕、日月くんのこと好きだし、あんまりそう卑下にならないでよ。
悲しいよ」
「時雨っ、黒澤のこと好きなの?!」
「煩い」
「………………」
「えっと……ごめんね……」
「謝らなくていいよ。
それに、僕は日月くんのこと可愛いと思うよ」
「えっ、そんな////」
「えっ!!!??」
顔赤くしちゃってさ、可愛いよね。
「やっぱり時雨っ……!!」
「煩い」
「あ、の……時雨くん、ありがとう……///
そんなこと言ってもらえたの、初めて……」
可愛い。
癒される。
抱きしめたい←
「時雨ぇ!!」
「るせぇっつってんだろ」
「すみませんでしたっ」
「……こわい…………」
……やっちゃった………………まぁ、クリスマスパーティーの内容も決まったし、いい感じじゃん。
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