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自傷 05
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光さんは仕事でいない。
「寝るか〜」
起きてから夕飯の準備しよう。
ベッドにダイブすると、眠気が一気に襲ってきて、それに抗うことなく眠りについた。
ガッシャーン
「ん…?」
何かが割れる音で目が覚めた。
どのくらい眠っていたのか分からないけど、真っ暗だから夜だということは分かる。
取り敢えず電気をつけて寝室を見渡すけど、何も異常はない。
それならリビングだと思いドアを開けてみると、シャワー後なのかパンイチの光さんがいた。
…太ももに破片で傷をつけていた。
さっきの割れた音は皿が割れた音だったらしい。
「ひかさん…」
破片に気を付けて、光さんのところに行き、目の前に座った。
「いろ…」
光さんは一瞬だけ俺を見て、また太ももを傷付け始める。
スッと破片で入れられた線から血が出てくる。
血は止まることなく流れ、床にも滴り落ちる。
もちろん、破片も血塗れ。
そんな光さんを止めることなく、ただ落ち着いてもらえるように頭を撫でる。
いつも俺が止めることはない。気が済むまでやらせている。
自傷することは良いことではないことは分かっている。世間の目も冷たいし。
恋人の俺までもそんな目で見てしまったら光さんは誰にも救いを求められない。
だから俺は光さんが体に傷を付けても怒ったり止めたりしないで、優しく原因を聞いている。
光さんが気の済むまで傷を付けた後は、手当てをして「頑張ったね」と頭を撫でてあげる。
それが光さんには一番いい。そう思っている。
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