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きっかけ 06
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「今まで会えなかった理由を教えてよ」
「……」
俺たちはテーブルを挟んで向き合っていた。
俺は光さんを見つめるけど、光さんはずっと下を向いてる。
「黙ってるなら、別れたいって受け取るから」
「違う!」
「じゃあ理由教えて」
「……」
ずっとこの繰り返し。かれこれ一時間ってところ?埒があかない。
どうやったら話してくれるんだろう。
「浮気してたとか?」
「違う」
「風邪ひいてた?」
「違う」
「でも前より痩せたよね?」
「……」
もうしかして、痩せたのと何か関係があるのか?
そう思って光さんの方に行き、テーブルを退かして、光さんの上に対面になるように乗った。
チラッと昨日のことを思い出して、「本当にごめんなさい」と心の中で謝って、光さんの腰に手を回した。
「どうしたの!」
「やっぱり…」
前より細くなってる。気のせいじゃなかった。
言いたくないときに黙りになる光さん。
会えなかった理由と痩せた理由は何か関係あるはず。
俺は優しく背中をポンポンとする。
「ねぇ、俺、そんなに頼りない?」
優しく、冷たくならないように言う。
「んーん…」
光さんはそう言いながら、俺に抱きついてきて、俺の肩に顔をぐりぐりっと擦りつけた。
「じゃあ教えて?」
「聞いたら引いてしまうよ…?」
「光さんのこと受け止めるから大丈夫」
そもそも受け止めきれなさそうな小さい人間だったら俺は男の光さんと付き合ってない。
だから大丈夫。
話して…?
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