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番外編 初めてのバレンタイン 01
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「何あげたらいいんだ?チョコ系のお菓子?物?どっち?」
俺はベッドでスマホと睨めっこをしている。
スマホに表示されているのは『バレンタイン特集』のホームページ。
何故、こういうページを見ているかというと、それは今日の昼のことだった。
「いーちゃんは皆月さんとバレンタインに何かしないのー?」
「え?バレンタイン?」
日向がいきなりバレンタインの話をしてくるから、「バレンタインってなんだっけ?」となった。
「女の子がチョコを男の子に渡す日です」
日向がドヤ顔でこちらを見てくるけど、そんな顔で見られても困る。
「いやいや、俺男ですよ」
しかも恋人も男。男二人でバレンタイン交換とかするもんなの?
「知ってますよ。でも恋人にはあげたいもんでしょー!ね!かなちゃん!」
「そうだな。渡したら皆月さん喜ぶぞ」
「だから考えてみなよ!」
日向の勢いに負けて「は、はい」と返事をしてしまって今に至る。
いつもは貰ったら、お菓子を作って返していた。それ目当てで女友達が義理ばかりを渡してきていた。そう知っていながらも、まあ貰って嬉しいのは変わりはないから、悪い気はしなかった。
でも、今回は違う。恋人に自分から渡すんだ。
自分から渡したことがないから、本当に悩む。
「本当にどうしよう」
そういえば、最近ネクタイを買おうか悩んでいたな。
うん。ネクタイにするか。
そうと決まれば、来週にでもネクタイを見に行こう。
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