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姉と弟、義兄と恋人 06
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椿に怒られたあと、キッチンで皿洗いをしている颯斗さんに泣かせた理由を話すと「色葉くんの気持ちは分かる」と同情された。
恋人が可愛いとやばいよね。そうだよね。
濡れタオルと昼ご飯の焼きそば、お茶を持って部屋に戻った。
「ひかさんー…」
そっとドアを開けると、光さんは部屋の隅で体育座りをして顔を伏せていた。
テーブルに持ってきたものを置いて光さんのところに行って、しゃがみこむ。
「ひーかるさーん。顔を上げてくださーい」
「……………」
光さんに無視されることってなかったから、なんか変な気分。
「光さんは俺のこと好き?嫌い?」
「……………」
「無言だと嫌いって思うけどいい?」
返事してほしいな、と頭を撫でると「……すき」とか細い声で言われた。
「俺も好きだよ」
すっごく好き。
「…………ん」
「確かに俺たちがヤる前は準備は必要だけど、俺は面倒臭いとか思ったことはないから。むしろ大変な思いさせてごめんね」
ありがとう、と言うと光さんは目元を涙で濡らし、口を尖らせながら顔を上げた。
「濡れタオル持ってきたから、目を冷やそうね。膝枕しながら目を冷やしてあげる」
再び布団に移動すると光さんは頭を俺の膝に乗せた。
「面倒臭い恋人でごめんね」
「そんなことないよ。じゃあ濡れタオル置くね」
「んー…気持ちいい。ねぇ、手繋いじゃ駄目?」
「繋ごっ」
視界を奪われている光さんは手を彷徨わせ、俺の手を探す。
俺はその手を掴み指を絡めると、光さんは口を開いた。
「ねえ色葉くん」
「んー?」
「色葉くんは僕たちの恋愛で辛いと思うことないの?」
「俺はなー…そうだね。辛いと感じることはあるけど、それは異性でも変わらないことかな。光さんはモテるから取られないかなって不安に思うことあるし」
「ふふ。僕はモテないよ。それをいうなら色葉くんの方がモテると思うよ。優しくて格好いいから」
顔は可愛いけどね、と光さんは笑うけど、それは俺も思ってるから否定しない。
そこら辺の女の子よりは可愛い自覚はある。
光さんのことは許したけど、あの馬鹿女のことは許せていない。
一生許すつもりないしね。
浮気のことを思い出してイラッとしたから、それを打ち消すように明るく振る舞う。
「光さんに褒められると照れるー」
ツンツン、と頬を突くと、光さんはプクーッとフグみたいに頬を膨らませた。
可愛いー!
しばらくそのまま目を冷やしながら光さんと話していた。
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