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姉と弟、義兄と恋人 07 side 椿
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弟の色葉に同性の恋人が出来ていたことは大分前から知っていた。
色葉は周りの目を気にしないところがあるけど、同性に告白されて付き合うとは思っていなかった。
しかも親にあっさりとカミングアウトしていたらしいし。
お母さん、私に電話してきて戸惑ってた。
我が弟ながらバカだと思う。
それでも私の可愛い弟には変わりないから、色葉と恋人を強引に熊本に来させちゃった。
まさかあんな美人連れてくるとは思わなかったけど。
ブスを連れてきても…うん。光くんでよかった。
「やっぱ、お前は強引にしすぎじゃないと?お前のせいで色葉くんたち喧嘩とかせんかったとかな」
颯斗も義弟の色葉のことを大切に思っていて、二人を呼ぶことを決めてからそわそわしていた。
「いいとよ。もし可愛い弟が騙されとったら嫌やろ?それを確認するためにもちょうどよかったとたい」
「そうだけど…」
「もうなるようにしかならんとやけん、気にせんでいいと!」
ビシッというと颯斗は口を噤んだ。
ピリピリした空気を打ち壊すように鈴音が私の服を引っ張る。
「ママ、いーくんとひーくんはお友達とね?」
おお。我が息子ながら難しいところを付いてくるね。
鈴音の目線に合わせてしゃがみ込んだ。
「いーくんとひーくんはね、お互いに大切な存在とよ」
「大切な存在…?」
「そうねぇ…鈴音はママがいなくなったら寂しい?」
そう聞くと鈴音は「寂しい!」と元気に頷く。
「ママも鈴音がいなくなったら寂しい。ママにとって鈴音は大切な存在で、鈴音にとってもママは大切な存在」
「うんー…?」
「簡単に言うと、いなくなったら寂しいと思う相手が大切な存在ってことかな」
難しいかな?と思ったけど、鈴音にはこの説明が一番簡単な気がするから仕方がない。
「何となく分かった!ママもパパも僕にとって大切な存在!いーくんとひーくんも、そんな感じとね!」
「そうばい!鈴音は賢いねえ〜!そんな鈴音にはパパがおやつがくれるみたいよ!」
そう言って鈴音と一緒に颯斗を見ると、颯斗はポケットを漁り、飴を出し、鈴音に渡した。
「やったー!ありがとぉ!」
「どういたしまして」
鈴音は飴をもらうと早速舐め始め、テレビを観ていた。
「颯斗、私には?」
そう言うと颯斗は顔を近づけてきた。
それにつられて私が目を閉じると唇に柔らかいものが当たった。
そして目を開けるとドヤ顔の颯斗がいて笑ってしまいそう。
「お前にはキス」
「あはは!颯斗キザ過ぎー!」
顔は格好いいんだけど、所々キザなところがあって面白い。
そういうところも好きだし、色葉たちのことも大切に思ってくれて優しい男だから、この人と結婚できてよかったと思う。
色葉も光くんも「この人でよかった」と思える関係だったらいいな。
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『花火の日にもう一度』という作品を公開しました。
ノンケの男子大学生と、心が女の子の大学生のお話です。
ノンケの方は、柚月の彼氏、侑李の元バイト先でバイトをしていて、侑李と仲のよかった子です。
NLのようでBLになります。
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