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周りからの見え方 02 side 光
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スーパーに着くと、鈴音くんは僕をお菓子コーナーに引っ張っていった。
慌てて色葉くんの方を振り向くと「鈴音は任せた!」と見送られた。
「ねえ、ひーくん。お菓子何円までいいとぉ?」
…今時の子の遠足に持っていくお菓子の金額っていくらなんだろう?
僕の時は300円だったけど…。
いや、そもそも幼稚園の頃にそんな制限はあったかな。
もうお菓子を計算しないでいい時期を長く過ごしてきたから分からない。
「500円までいいよ。計算できるかな?」
「出来る!」
「凄いね。じゃあ、選ぼうか」
「うん!」
元気よく返事をした鈴音くんに小さいカゴを渡し、お菓子選びをさせた。
僕は鈴音くんについてどんなお菓子を選ぶのだろうと観察する。
「ひーくんはグミ好き?」
「好きだよ。鈴音くんも好き?」
「好き!僕ね、みかん味のグミが好き!」
「みかん味美味しいよね」
「そうとってー!」
これんしよ、と鈴音くんはカゴにみかん味のグミを入れて、またお菓子を選び始めた。
鈴音くんは一個だけ入っているお菓子ではなく、複数個入っているお菓子を中心に見ていて、一個だけしか入っていないお菓子は三つカゴに入れていた。
もうしかしたら、僕と色葉くんの分も選んでくれているのかも。
もしそうだとしたら凄く嬉しい。
僕は緩んでしまう口元を手の甲で隠していた。
「ひーくん、何で笑っとるとね?いいことあったとぉ?」
僕をじっと見つめてくるこの子はとても可愛い。
それを見てズキッと胸が痛んだけど、気付かないふりをした。
「鈴音くんが可愛いなって思っただけだよ」
「僕可愛いとぉ。格好いいって言われるより可愛いって言われる方が好きやけん、僕嬉しか〜!」
「そうなんだね。いっぱい言ってあげるね」
「やった〜!」
喜ぶ鈴音くんの頭を撫で、それからまたお菓子選びを再開すると色葉くんがお菓子売り場に来た。
その隣には誰か知らないけど可愛い女の子がいて、それを見て更に胸が痛くなった。
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しばらく週一更新になります。
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