アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
周りからの見え方 04
-
会計を済ませると、梓は一旦家に帰った。
光さんを見ていたい&話したいから、椿の家に泊まるつもりらしい。
話したいのは分かるけど、見ていたいってなんだよ。
また三人で手を繋いで帰る。
「明日楽しみだね〜!僕ね〜モルモットさんをなでなでしたいとってぇ!」
「触れるところあるんだね。僕も触りたいな」
「ひーくんもなでなでしよー!」
「うん」
若干仲間外れ感あるけど、気にしないで二人の会話を聞いていた。
前から歩いてくる三人の男子高校生がいたから繋いだ手は俺だけ離して避け、通り過ぎるとその瞬間笑い声が上がった。
「あはは!あれホモじゃね?!」
「だなっ!ここでもホモっておっとね!」
不愉快な言葉に思わず立ち止まる。
俺たちのことだよな…?
てか鈴音挟んで手を繋いで歩いてんのに、それだけでそう決めるのもどうかと思うわ。
観察力があるのか、単純な馬鹿なのか。
まあ後者だろうな。
面倒だから放っておくけど…。
少し苛立ちながらも、光さんのことが心配で見て見ると、気にしないふりして鈴音と話していた。
「お弁当はね、ママにたこさんウインナー入れてもらおうね。あと、カニさんウインナーも」
「そうだね。帰ったらお願いしようね」
「うん!」
それでも俺には傷ついた顔に見えるから、後で慰めよう。
とりあえず早く帰ろうと思って歩き出そうとしたら中学生の笑わなかった一人の咎める声が聞こえてきて、また立ち止まってしまった。
「龍(りゅう)も友也(ともや)も煩かよ。餓鬼じゃないとやけんそんなこと大声で言わんで。一緒におる俺が恥ずかしか」
驚いて振り向いてみると一番不良に見える子がそう言っていて、人は見かけによらないと思う。
あと友達にそんな言うなんてすごい。
感心していると二人が「ごめん」と謝っていたから、その子がリーダー的な存在なのかな。
「餓鬼なのは見た目だけにするとよ?じゃあ、帰るよ」
「「うす」」
そう言って三人は帰って行った。
なんかリーダーというより親みたいだな。
あの子のお陰で苛立ちは消え、また鈴音と手を繋いで帰った。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
181 / 197