アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
逢Ⅱ
-
なかなか寝付けんくて、オレは、何度も寝返りを打った。
漸く、とろとろしかけたんは明け方近くで
しかも、何や妙な夢を見た。
どこかの小高い丘の上。
満開の花の下に立って
もう何年も前に、離ればなれになった相手が帰ってくるんを待つ。
何日待っても、誰も来うへん。
花が散って、葉桜になっても、何の便りも無い…
そんな結構切ない感じやったと思う。
―この前読んだ本の所為やろか?
首を傾げながら起きて、何とはなしに時計を見た。
―6時半、か。
まだ早いけど。
もっかい寝たら、絶対寝過ごすよなぁ。
顔を洗って、着替えてから
炊き上がったタケノコご飯を、ラップに少しずつ、ふんわり包んだ。
それを銀色の保温バッグへ入れて、トートバッグの底へ。
―あ。お茶!
そやけど、オレんチには、急須も無ければ、水筒も無い。
―熱いんか、冷たいんか、ビミョーな季節やしなぁ。
行った先で、その時の気分に合わせて買うたら、ええか…。
オレは、オニギリには日本茶やけど。
静は、日本茶より、淹れたてのコーヒーのがええんかもな。
後楽園の近くに、スタバはあったやろか?
ウェットティッシュやら、敷物やら、要りそうなもんを手当たり次第にバッグへ突っ込みながら、オレはそんなことを考えた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
69 / 229