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再Ⅱ
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「じゃあ、日程としては、この予定表通りの段取りで良いですね、井崎さん?」
「ハイ。OKです。」
「O食品さんも?」
「ええ。材料の方は、もう少し早く揃う予定ですし。タレの担当者さんも、その週の日程を全部押さえてあります。」
「解りました。ウチの方はどうなってる?」
「店舗分のポスターと、パッケージのデザインも、昨日最終確認できました。」
「よし!それでは、今日はこれで、終わりたいと思います。解散。」
青木さんの号令で、会議はサクッと終了した。
休憩スペースに入ったところで、オレのスマホが鳴った。
「ん?」
―なんや、伊佐木か。
メールなんかせんと、普通に話したらええやないか。
『駅前Mドーナツに7時』って、全部件名になってしもてるし…。
―アイツ、どんだけテンパってんねん?
そういうオレも、再会の一瞬で、メッチャ変な汗かいたけどな…。
取り敢えず、一旦帰って、私服に着替えてから、のんびり歩いて駅前を目指した。
五○丸ばりのデカい男は、やたらコソコソして逆に目立っとった。
「おい。なんでドーナツ屋やねん?」
「いや、それが、…青木さんに見付からない場所が、ここの他に思い付かなかったんだ。」
―は?
青木さん!?
「なんであの人の名前が、今出てくるねん?」
「ああ、タクマはまだ知らないんだな。」
「はあっ?一体何の話やねん!?」
姿勢を低くしたまま、井崎は小さな声で、オレに向かってこう言うた。
「実はさ、青木さんてさ、…オネエなんだよね。」
「えっ!?…マジか!!」
「それでさ。会うと必ずオレ、1回は迫られるんだよ。」
「はぁ、なるほどな…。」
知りたくもない事実を知らされて、オレはゲッソリやった。
―まぁ、オレも。ヒトのことは、言われへん立場やけどな…。
「とにかく。お前もあの人だけには絶対バレないように、気を付けろよっ!?」
「ああ。うん。…そないする。」
具体的にどうしたらええんか、分からんかったけど。
一応、神妙に頷いといた。
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