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再Ⅲ
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ドーナツ屋にオッサン2人は、メチャメチャ浮きまくりやったから
取り敢えず、近くの中華屋へ移動した。
「で?あのカレシとは、その後どうなんだよ?」
「どうって、何がやねん?」
一緒にメニューを見るフリをしながら、ヒソッと小声で言われた。
「単身赴任ってことは…こっちでカレシと同棲してるのか?」
「そうはイカの塩辛や。大体、静は誰かと暮らすとか、考えたことも無さそうやしなぁ…。」
オレがぼやくと、伊佐木は驚いた顔で食い付いてきた。
「おいおい!オマエもしかして、一緒に住みたいって、一度も言ったことないのか?」
「当たり前やろ?アラフォーのオッサンがやで?一緒に暮らしたいやなんて、一体どの面下げて言えるねん?」
「またまた~。ホントは寂しくてたまんないクセに!」
そう言いながら、デカい手で、オレの髪をワシャワシャかき混ぜるように撫で始めた。
「おいっ!やめろや。オレは、犬ちゃうぞ。」
「あー、悪い悪い。」
ちっともそない思てへんのが丸わかりなニヤケ面が、一瞬フッと真顔になった。
「でもさあ、タクマ。言わなくちゃ、何も伝わんないだろ?」
―言わんと伝わらん。
そない言われて、急に思い出した。
「ああ、そう言うたらな、ちょっと前、こんな事があって…。」
3月の事をかいつまんで話して、どう思うか訊いてみた。
「あぁ…。そりゃあ、アレだな。タクマはもともとノンケだから。入学式に行ったら、そのまま嫁と元サヤにおさまっちゃうんじゃないかって、不安になったんだろ。」
―はあああ!?
もと・さや?
予想外過ぎる伊佐木の答えに、オレはちょっとの間、絶句した。
―離婚したい、って真剣に考えて、単身赴任。カムアウトまでしてるオレが、元サヤにおさまる!?
アイツの頭、とうとうホンマにおかしくなってしもたんか?
「いや、マジな話。ノンケとカップルになったヤツには、いつか女に戻るんじゃないか?って不安がずっとつきまとうらしいぜ。」
「なんでやねんっ!?なんで、そんな…どない考えたって、100パー有り得へん話やないか!」
「まぁ、タクマはそのつもりで、カレシも一応頭では解ってるとしても。やっぱさ、気持ちのどこかが、何かに引っ掛かるってゆうか、割り切れなくなる瞬間が、くるんだよなぁ。」
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