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再Ⅳ
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「頭では解ってても、気持ちのどこかが、何かに引っ掛かる…?」
「タクマは、そういう経験、ないのかよ?元カレにヤキモチやいたりとかさ。」
「あー。それがなぁ。オレ静の過去とか、殆んど知らんねん。オレの前に付き合うてた人が、どっちの性別やったんかも、きいたこと無い。」
「ええっ?それ、マジかよ!?」
「ああ。大マジや」。
「ソコすっ飛ばして、デキちゃったのか?ホントどうなってんだよ?オマエら。」
ブツブツ言いながら、伊佐木はビールを飲み干した。
そのグラスを見て、なんや急に納得した。
―あぁ。
なるほどな…。
なんや。そういうことやったんか。
お互いに何も知らん方が、気が楽や。
『知る必要がない』
最初に静がそない言うたんは、ホンマに必要がないと思てたんやなくて
色々知ってしもたら、ヤキモチ妬いたり、気遣うたり、そういう『複雑』が始まる。
そやから、敢えて聞かんようにした。
―アホやな。
自分で観察して見抜いたことは、きっと誰が言うた事よりも、忘れられんようになるのに…。
「あっ!」
「どうした?」
「タケノコご飯。握って持って行ったんやんか。」
「おー。出たな、胃袋を掴め作戦!」
「ヒトが握ったオニギリ、食えるんか、きかんと作ったけど、大丈夫やったんやろか?」
「…オマエさ。そんなこと位、もっと気軽に訊けよ。てゆうか、あまりに知らなさ過ぎだろ?」
「うん。これから、ボチボチきいていくことにする。」
その後は、伊佐木のこれまでについて、色々聞かされた。
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