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柵
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連れていかれた廻らへん寿司屋には
オカンと、義母、それに義妹が待ち構えとった。
「うわぁ!やった~♪いただきます!!」
「たんとおあがり。」
大好物のちらし寿司を喜んでパクつく息子を見る目は穏やかで優しい。
その隣から時折、何とも言えん顔でこっちを見てくる、四人の女…。
「ごちそうさま♪」
完食した息子を連れて、嫁がトイレへ消えた瞬間
にこやかにオカンが口火を切った。
「どないしたん?あんたも好きやろ、そのちらし。」
「…ああ。」
―こんな雰囲気の中、物が食える神経は持ってへんねんけどな。
「お義兄さん。なんやちょっと、感じが変わらはったんちがう?」
貼り付けたような笑みの奥で光る、義妹の瞳は、怖い位キラキラしとる。
―獲物を見付けた猛禽類みたいやな。
「それで、お仕事の方は順調ですのん?」
お義母さんが、やんわりきいてきた。
「いや、それが…この前起きた地震の影響で、色々バタついてまして。」
「あら、そうやの?」
意外そうにオカンが口を挟んてきた。
「九州からの物流が、一旦全部止まったしな。逆に、こっちからの物も運ばれへんようになった。ダブついた分、足らんなった分、どっちもの調整と、今後の見通しに沿った体制づくり。ウチの損害は大手さんほどやないけど。だからこそ、早い見極めと行動が必要になってくる。」
「なるほどねぇ。それで?アンタの人生の見通しは、立ったんかしら?」
「そうそう。私もそこが聞きたい思てましてん。」
畳み掛けるように被せてきた義妹が、スッと真顔になって、オレを見据えた。
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