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「あ、あの人体育の先生だよね?ちょっと俺行ってくるねー」
やっと体育教師の姿が見えた頃、祭月はその姿を見つけるや否や駆けていった。
「りゅーう」
「…キモい」
「いきなり!?」
「何だよ」
「いやー、まさかあんなに動揺してる瑠が見られるとは」
「…何か文句あんのか」
「喧嘩腰止めい。別にそんな事言ってないでしょー?ただちょっと面白かっただけ…痛!ちょっ止め、脛(すね)蹴らないで!そこ泣きどころだから!」
・・・しばらくお待ち下さい。・・・
「いってて…、もう瑠ちゃんたら照れ屋なんだから
わー!タンマタンマ!!」
そこまで言うなら止めてやらんでもない。
「ふー…、そういや虹ちゃん何話してんだろ?」
「あ、」
そういえば。
「ただいまー」
するとその時、ちょうど話し終えたらしい祭月が戻ってきた。
「おかえりー、何話してたの?」
「んー?あ、俺今日は見学するんだー」
「どっか具合悪いのか」
「まぁそんなとこかな。初参加だし、最初は様子見って事で。
じゃ、頑張ってねー、端っこの方で応援してるからー」
笑顔で手を振って、祭月はゆっくりと日陰へと移動していった。
その後ろ姿は心なしか覇気がないように見えた。
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瑠たちが体育を受けているのを見ながら、少年は静かに、少しだけ乱れた呼吸で呟いた。
「…は…これってアレなんかなぁ……
けど男て…」
陰る顔を困惑気味に歪める少年。
そこにいつもの笑みは無かった。
ただ、ずっとその薄茶色の眼に『彼』を映していた。
「見る専なんやけどなぁ…」
その瞳に影を燻らせながら、ただジッと見つめていた。
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